瞬報社写真印刷 優れた操作性で校正の時間を3、4割削減~KODAK INSITE Prepress Portalで校正の見える化を実現

140年の歴史に裏付けられた技術と品質

 明治15年創業の瞬報社写真印刷株式会社は、140年の歴史と伝統を基盤に高い技術力と印刷品質を培ってきた総合印刷会社である。山口県下関市に本社・工場を、山口市にグループ企業の瞬報社オフリン印刷株式会社を、東京、福岡、北九州、広島には支店・営業所を構え、一般商業印刷から出版印刷、美術印刷まで幅広い仕事を手がけている。

 近年ではUVオフセット印刷+デジタル可変印刷のハイブリッドワークフローを構築し、クーポン券や商品券、チケットといった新しいビジネス領域でも確かな成功を収めている。こうした瞬報社の絶え間ない技術革新・事業変革について、専務取締役の藤田育夫氏は「顧客本位の企業姿勢から生まれている」と次のように語っている。

 「お客様の話を直に伺い真摯に向きあうことで、課題解決に必要なワークフローやシステムが見えてきます。印刷技術だけではなく、必要に応じて専用プログラムの開発、ITの技術や仕組みなども取り入れて顧客本位のモノづくりを進めてゆけば、お客様と共に当社も大きく成長できると考えています」

専務取締役 藤田育夫氏

INSITEの操作性を高く評価

同社はKODAK PRINERGY WORKFLOWソフトウェアを中心とした一貫したプリプレスワークフローを構築している。刷版出力は2台のKODAK TRENDSETTERQ800 SCUプレートセッターが担い、最新のLED-UV印刷機を擁する印刷部門に月平均4,000版を供給している。刷版もKODAK SONORAプロセスフリープレートを採用し、環境負荷の軽減と印刷品質の向上を両立している。

プリプレスワークフローの中枢となるPRINERGY
2台のTRENDSETTERでSONORAを出力

 2019年1月には校正作業の見える化を目指して、KODAKINSITE Prepress Portalも導入した。

 その理由について常務取締役の島木浩則氏は、次のように振り返っている。

 「ユーザーインターフェイスを一新した最新バージョンのINSITEは、シンプルな操作性で、非常に使いやすく、分かりやすくなっていました。少ないクリック数で目的のページにたどり着け、校正もしやすいと好評でした。たった2回テストしただけですが、スムーズに導入が決まりました」

常務取締役 島木浩則氏

コロナ禍で利用社数が急増

 INSITEは、データ入稿や校正作業がネット経由で効率的に行えるWebポータルソリューションだ。365日24時間いつでもどこからでもジョブの進捗状況が確認でき、加筆や修正指示など校正作業がWebブラウザ上で簡単に行える。校正紙はもちろん、PDFをメール添付でやり取りする必要もない。初校から校了まで作業履歴がすべて残るので、校正フローの高い安全性と信頼性を保証する。

瞬報社写真印刷は、クリック数の少ない優れた操作性を評価してINSITEを導入した。

 こうしたINSITEのメリットに注目したのが、新型コロナ感染症の拡大でリモートワークを推進した多くの企業だった。特に出勤抑制策としてリモートワークが加速した東京では、編集者や執筆者が自宅にいながら校正できると高評価を得た。東京支店 営業部 部長の伊藤稔氏は「INSITEは関係者の多い仕事、ページ数の多い仕事に向いている。全国各地に関係者が点在していると、利便性はさらに高まる」とアピールし、大手メーカーの総合カタログや各種業界団体の印刷物などでも利用が広がった。

 新規ユーザーの発掘にはINSITEのセキュアリンク機能が役立った。面倒なアカウント登録を行わなくても、瞬報社が送付したメール内のリンクをクリックするだけですぐに校正ページを見ることができるので、利用機会の増加に貢献した。コロナ禍で直接会えないユーザーや初心者向けにはINSITEの解説動画を制作しYouTubeで見られるようにした。さらに藤田専務は「コダックのきめ細かなサポートが利用拡大の大きな力になった」と指摘する。

DTP課課長 櫛田英道氏

 「我々だけでは説明しきれないINSITEの導入メリットをクライアントにも分かりやすく提案してくれたので、お客様には納得して使っていただけました。コダックのプロフェッショナルサービスは、他社にはないきめ細かなサポートで、とても感謝しています」

約20社が月刊誌などで定期運用

 現在、校正業務でINSITEを定期的に利用する顧客は約20社で、ジョブの中には200頁の月刊誌などがある。チラシやパンフレットなど不定期で利用するライトユーザーを含めると登録社数はかなり多くなる。こうした校正業務の他、最新のPDFデータを支店・営業所と共有する社内運用もあり、毎月60~100ジョブをINSITEにアップしている。DTP課 課長の櫛田英道氏は、INSITEとPRINERGYを連携した瞬報社独自の運用方法について次のように話している。

 「INSITEの単ページPDFを12種類のPDFにPRINERGYで変換してダウンロードできる独自のシステムを構築しています。見開きや面付け、異なる解像度のデータなど必要とするPDFがすぐ手に入るので、お客様だけでなく、当社の営業マンにも喜ばれています」

本機校正の内製化と短納期を実現したLED-UV機

 お客様の評価も「校正ファイルがまとめられている」「校正者が誰か分かる」「履歴が残る」と好評だ。営業部の伊藤部長は「最初は戸惑っていても、使い出すと必ず喜んでくれる」と手応えを感じている。営業マンもジョブの全体像と進捗状況が一目で把握でき、校正にかかる手間と時間を3~4割削減できたそうだ。 コロナ禍で一躍脚光を浴びたINSITEの校正フローにも、顧客本位のモノづくりを貫く瞬報社の企業姿勢が間違いなく息づいている。そして、その基盤にコダックの卓越した技術がある。

瞬報社写真印刷株式会社
代表取締役社長:藤田 良郎
本社:〒752-0927
山口県下関市長府扇町9番50号
TEL.083-249-1100
https://www.shumpou.co.jp

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