コニカミノルタ 反応染料用インライン前処理インク「O‘ROBE(オーローブ)」を提供開始、インクジェット捺染工程を短縮し、エネルギー使用量削減を実現

コニカミノルタ株式会社は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして、反応染料用インライン前処理インク「O‘ROBE(オーローブ)」をラインナップに加えた。同製品は国内初となる、インクジェット捺染工程の短縮により、エネルギー使用量削減を実現するインク。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をデザインしたプリントタオル。O‘BROBEにより発色の難しい色も鮮やかに表現

【コニカミノルタが「O‘ROBE」で提供する価値】

1.環境負荷低減への貢献
「O’ROBE」は「Nassenger」シリーズに充填することにより、生地を染色したい場所に必要な分量だけ、正確に、前処理インクを反応染料インクと同時に塗布することができる。従来の前処理工程では必要となるコーティング後の乾燥工程も不要となるため、電気やガス等のエネルギーの使用量も大幅に削減。前処理用薬剤の使用量を大幅に削減することで、環境負荷低減に大きく貢献する。

2.染色加工企業の収益性改善に貢献
プリントの前処理工程でコーティング加工した生地は、保管時の温度や湿度の影響により、変色するリスクがある。また、染色加工企業では、専用設備を持ち自前でコーティング加工を行うか、外注で加工を委託するかの選択が必要となり、設備投資をするか、発注リードタイムのリスクか、いずれかの負担が生じる。
「O‘ROBE」インクの導入により、前処理工程をプリント工程に統合することで、染色加工企業の負担を軽減し、収益性の改善に役立つ。

【株式会社ユタカの事例—タオルプリント工程への導入で効果を実証】

オリジナルタオルやTシャツのインターネット通販を展開する株式会社ユタカは、「Nassenger」でプリントするタオル生地の前処理を外注していたが、「O’ROBE」を「Nassenger」に充填することで、自社内インクジェット捺染工程での前処理が可能となった。これにより、前処理済み生地の運搬や保管が不要になり、品質変化のリスクや管理工数の負荷を削減することが可能となった
また、生地への染料インクの浸透が「O’ROBE」により促進されることで、タオルにプリントしたキャラクターの肌などの粒状感がなくなり、自然な表現ができるようになったという効果も実証されている。

【O‘ROBEという名称に込めた思い】

「O‘ROBE」はO’とROBEを組み合わせた造語。O‘には、Optimization(最適化) / One (一つに統合) / Origin(新たな起点)と3つの意味を込め、フランス語で「衣服・布」を意味するROBEと合わせることで、生地とインクが一体化することを示している。
また、前処理とプリントを同時に完結させることで工程をシンプルにし、最適なインクジェット捺染工程を提供する、というインクのコンセプトを表現している。

従来の前処理工程では必要となるコーティング後の乾燥工程も不要となる

関連記事

最新記事