KOMORI プリンテッド・エレクトロニクス事業の薄膜塗工技術で開発進捗を公表 ペロブスカイト太陽電池など次世代デバイス向けに量産化技術を強化
株式会社小森コーポレーション(KOMORI)は、プリンテッド・エレクトロニクス(PE)事業で取り組む薄膜塗工技術について、開発進捗を公表した。2025年5月の発表以降、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする次世代デバイスの生産性向上に向け、量産化に不可欠な“大面積・高均一な超薄膜形成”の技術精度向上を重点的に進めている。
スリットダイ塗工とNIR乾燥の試験環境を整備
同社のPE要素技術開発センター(PEDEC)では、スリットダイコーターとNIR(近赤外線)+熱風乾燥装置を組み合わせたテストラインを拡充。材料特性に合わせたプロセス条件の検証を進めることで、塗工膜の均一性向上と再現性確保に成果をあげている。
また、印刷技術を活用することで、従来必要とされていたレーザースクライブ工程を省略できる透明電極の新たなパターニング工法も検証した。製造プロセスの簡素化とコスト削減に貢献する可能性が示された。


ロールコーターとNIR技術を融合した新プロセスを開発へ
今後は、KOMORI独自開発のロールコーターとNIR乾燥技術を組み合わせた新プロセスの確立を推進。膜厚均一性の更なる向上と高速生産への対応を進め、次世代デバイスの量産技術基盤を強化する。
材料・基板に幅広く対応、オープンイノベーション拠点としてPEDECを開放
PEDECでは、各種材料・基板に対応した試作・評価体制を整備。ペロブスカイト太陽電池だけでなく、フレキシブルエレクトロニクス、機能性フィルム、新規材料開発など、多様な用途に対応可能な環境を構築。パートナー企業・研究機関との共同開発を積極的に進める方針で、オープンイノベーション拠点としての活用を呼びかけている。
KOMORIは持続可能な社会の実現に向け、薄膜塗工技術の研究開発と事業化を加速させる。