【倒産情報 大阪府】アート印刷工芸社 事業停止、自己破産申請
株式会社アート印刷工芸社(大阪府東大阪市七軒家)は、11月6日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。同社は、1973年(昭和48年)7月に設立された印刷業者。カレンダーや手帳、教科書をはじめとする商業用印刷物を中心に入場券や回数券、株主総会向けの営業報告書など証券印刷物も扱っていた。近畿圏内を主な営業エリアとし、大手印刷業者などからのOEM受注を主体に、企画から印刷までの一括請け負いにも対応。繁忙期や製本業務は外注業者を利用しつつも内製を基本とし、99年5月期には年売上高約3億9000万円を計上していた。しかし、得意としていた小切手帳や手形帳の需要減退に加え、新型コロナの影響で2021年5月期の年売上高は約1億7600万円に減少。コロナ禍でペーパーレス化が急速に進行したため受注の回復は鈍く、採算面は不安定な状態に陥っていた。2024年には新たな代表が就任し、経営の立て直しを進めていたが体調不良により、2025年10月に再度代表が交代。これを受け、取引先には信用不安が広がり、先行きの見通しが立たなくなったことから事業の継続を断念した。負債は推定2億円。