共同印刷 「若⼿社員の仕事に対する取り組み⽅と研修に関する意識調査」を実施、若手社員の仕事観と研修へのニーズが浮き彫りに 実務性・つながりを重視する一方で「静かな退職」「タイパ退職」予備軍も
共同印刷株式会社学びビジネス推進部は、従業員301人以上の企業・団体に勤務する22〜35歳の若手社員509人を対象に、「若⼿社員の仕事に対する取り組み⽅と研修に関する意識調査」を実施した。その結果、社内研修に「実務性」「つながりづくりの機会」を希望しており、またエンタメ要素のある研修も⼈気であることが分かった。
若手社員の7割が前向きに業務へ 実務性と横のつながりが研修ニーズの中心に
調査では、現在の仕事に対する姿勢として「仕事を通じて成長したい」(26.7%)、「仲間と協力して成果を出すことにやりがいを感じる」(20.6%)、「今の業務をきちんとこなすことを重視」(21.2%)が上位を占め、合わせて約7割の若手社員が前向きに業務へ取り組んでいる状況が明らかになった。
一方で、「受け身で指示があれば動く」「モチベーションが下がり、言われたことだけ行う」「退職(転職)検討中」が合計で約2割、つまり5人に1人がすでに熱意を失っている層となり、「静かな退職」「タイパ退職」の予備軍が存在していることもうかがえた。
仕事のモチベーションに影響する要素では、約4割が「職場の人間関係やチームの雰囲気」を挙げ、次いで「自己成長・スキルアップの実感」「仕事と自分のやりたいことの合致」がそれぞれ3割強となった。人間関係・業務内容・自己成長の3点は、若手層のやる気を左右する主要因として浮き彫りになっている。
社内研修については「実務に直結している」(41.8%)が最多で、「社員同士のコミュニケーションになる」(39.3%)、「成果が見える化される」(37.3%)が続いた。コミュニケーションを望む相手としては「同部署・チーム」「同期」が多く、実務性と横のつながりづくりが研修への代表的なニーズとなっている。
研修体験がネガティブ感情に直結 失望した層の4割強が「退職を考えた」と回答
過去に受けた社内研修が退屈だった場合、約2割の社員が「会社の体質が古い」「自分には合わない」「この会社では成長できない」と回答し、研修内容が企業への評価に直結する傾向が見える。また「つまらない研修はなかった」とした社員が23.0%に達し、約4分の1の企業は若手を惹きつける研修を提供できているという対比も特徴的だった。
「つまらない研修はなかった」以外を回答した層のうち、4割強が「退職を考えたことがある」と答えており、ネガティブな研修体験が離職意向の直接的なきっかけになる可能性が示唆された。
研修の期待は座学にとどまらず、体験型やエンタメ要素にも広がる
今後参加したい研修内容としては、一般的な座学形式に加えて、ワークショップ型、成果がその場で見える体験型、さらにはゲーム・クイズの活用や、アニメなどのサブカルチャー要素を取り入れたプログラムにも支持が集まった。若手層の関心に寄り添うことで参加意欲が高まるという傾向が見てとれる。
こうした結果からは、若手社員が抱える仕事への思い・モチベーションの構造と、研修への期待が結びついており、研修が「退屈」であったことで退職を検討したことがあるとした割合は4 割以上にのぼっている。研修は早期離職の⼀つのきっかけになっていると考えられ、研修内容の⾒直しにより、退職予備軍の気持ちを変え、やる気を⾼められる可能性がある。






