アドビ 新プラットフォーム「Acrobat Studio」日本語版を一般提供開始 PDF からコンテンツ制作まで一体化した AI 搭載環境を提供
アドビは、AI を活用した新プラットフォーム「Acrobat Studio」の日本語版を一般提供開始した。PDF 編集や電子署名などの既存機能に加え、複数のドキュメントを対話型ナレッジハブへ変換する「PDF スペース」、さらに Adobe Express によるコンテンツ制作までを一つの環境で実現する。静的な PDF を動的なワークスペースへ変えることで、生産性と創造性を高める仕組みを整えた。
PDF と AI を統合し、あらゆる文書を「対話型ナレッジハブ」へ
Acrobat Studio では、Acrobat AI アシスタント、PDF スペース、Adobe Express Premium、Acrobat Pro のツール群を統合。PDF、Word、PowerPoint、議事録、web サイトなど、複数形式のドキュメントをまとめて扱うことができる。
新機能「PDF スペース」は、複数の PDF や web サイトをひとつのワークスペースに集約し、エージェント型 AI が要約・提案・分析を行う環境を実現する。回答にはクリック可能な引用が付与され、情報の検証が容易になる点も特徴。カスタマイズ機能では「インストラクター」「アナリスト」「エンターテイナー」などの役割を設定でき、独自のアシスタントを構築することも可能となった。
Adobe Express では、、「画像生成」「画像編集」「背景削除」などを ができ、robat 画面上で実行できる。PDF 編集、比較、墨消し、契約書の電子署名といった Acrobat Pro のツールもすべて含まれている。
生成 AI の期待と課題、調査結果から見えた利用意向
アドビが 2025 年に実施した調査では、文書作成業務に携わるビジネスパーソンの 54.3%が生成 AI の活用に前向きで、特に企画・マーケティング職やクリエイティブ職、IT 技術者で意向が高かった。一方、「ハルシネーション」「セキュリティ懸念」が導入障壁として挙げられており、正確性と安全性が重要課題とされることが明らかになった。
アドビ Document Cloud プリンシパルプロダクトマーケティングマネージャー・立川太郎氏は「PDF スペースが文書を対話型ナレッジハブへ変革し、業務の生産性と 創造性の向上に寄与します」とコメントしている。
セキュリティと AI 倫理を重視した設計、安心して利用できる環境を提供
Acrobat Studio は、最先端の暗号化やセキュアなサンドボックス環境を備え、集中型デプロイによる管理性も向上している。AI はユーザーの指定した文書のみを分析し、出典に直接リンクする引用を提示する仕組みを採用。顧客データを AI モデルの学習に利用しない方針も徹底している。
7日間の無料トライアルも提供され、Acrobat Pro、AI アシスタント、PDF スペース、Adobe Express Premium の機能を全て利用できる。


