独/マンローランド・シートフェッド社 ドイツ本社が再編目指して自主再建(シュッツシルム手続)へ、急激な市場の縮小・中国市場の減少などが影響
ドイツの印刷機メーカーであるマンローランド・シートフェッド GmbHは、3月3日付けで、親会社であるラングレー・ホールディングス plcの財務支援のもと、ドイツ本社において、自主再建を目的とした法的手続き・シュッツシルム手続(Schutzschirmverfahren)に入ったことを発表した。
シュッツシルム手続とは、事業を継続しながら再編を進めることを目的とした 自主管理型の民事再生手続きのこと。現経営陣は継続したまま、再建計画(Rebuilding)を策定・実行していく。
なお、日本支社については、サービス体制(修理、保守サポート、電話・リモート対応)、部品・消耗品の供給も維持され、顧客先の設備稼働や生産活動への影響はないとしている。新台などの導入前後のサポートを含め、従来と同じ体制での支援が継続される。
ドイツ本社が再編手続きに至った背景として、第一に世界的な印刷機市場の急激な縮小を挙げている。中でも、新台販売の約40%を占めていたという中国市場の需要の減少があったほか、欧州におけるエネルギー価格の高騰、材料費上昇による製造コストの増加などが影響し、損失が拡大していた。
再編内容としては、「生産部門を中心とした構造改革の実施」、「間接部門(管理・バックオフィス)の見直し」に取り組む。これにより課題だった間接部門を中心とした組織の見直しが検討されるという。
ドイツでは雇用保護が非常に厳格なこともあり、大規模な組織再編にむけて法的手続きを利用。再建の基本法人としては、全世界で事業・経営・サービスは継続し、再生への再建手続きは約3ヵ月を目安に進められる。これにより、赤字要因であった事業構造の組織改革を検討・実施する。
今後、財務支援についてはラングレーホールディングスが全面的に行い、再建手続き期間中の資金面もラングレーが支援する。運営体制は、裁判所任命の監督人の監督下で、現経営陣が事業運営を継続。再編では、再建および法務の専門家が経営陣を支援して進める。
今回の再編を進めることで、将来に向けてドイツ本社での生産体制の強化を推進。実際、開発体制について、現在もROLAND 700 Evolutionの新装備に関する実証テストが進行中であり、今後の機械技術開発も継続して行っていく。
今回のドイツ本社の事業再編に伴う日本支社への影響は基本的にないとしている。特に同社では、部品在庫について、2024年から滞留在庫の整理および必要部品の拡充を実施するなど、在庫最適化に取り組んできた。今後も棚卸毎に在庫構成を継続的に最適化し、日本市場の安定供給を確保する。また大規模な機械修繕が発生した場合も、ドイツ本社および日本法人が連携し、従来同様の体制で対応する。
