TOPPANHD 東京消防庁とリチウムイオン電池対応型消火器具を共同開発 消火フィルムを軸に熱暴走抑制と延焼遮断を目指す
TOPPANホールディングス株式会社は、東京消防庁が公募する「東京消防庁INNOVATION PROJECT」に採択され、2026年5月から2年間にわたりリチウムイオン電池対応型の消火器具「三位一体型消火器具」を同庁と共同で開発する。同プロジェクトは、東京消防庁の行政課題解決に寄与する先端技術の導入検討を目的に民間企業等を募集するもので、TOPPANホールディングスは「リチウムイオン電池対応型消火薬剤・消火資器材の研究開発」というテーマで採択を受けた。2028年3月までに「三位一体型消火器具」の実現を目指す。
消火フィルムを活用した三位一体型の防御構造を検証
近年、モバイルバッテリーや電動モビリティーの普及に伴いリチウムイオン電池(LIB)起因の火災が急増している。LIB火災は内部の異常発熱が連鎖する熱暴走により、従来の消火器では再燃を防ぐことが困難という課題がある。
TOPPANホールディングスは、2021年2月から販売している「消火フィルム」を軸に、吸熱素材と耐火素材を組み合わせた「三位一体型簡易消火器具」の開発を進める。同器具は3つの機能により火災を抑制する。
- 初動制圧:熱に反応して消火フィルムから消火成分を自動放出し炎を消す
- 物理的冷却:吸熱素材により温度上昇を防ぎ、熱暴走の連鎖を遮断する
- 延焼遮断:耐火素材で可燃ガスと火花を閉じ込め、周囲への延焼を防ぐ
一般家庭から消防隊員まで幅広い利用シーンを想定
同研究開発では、専門知識がなくても「被せるだけ」で安全に消火できる器具を目指す。寝室やリビングでのモバイルバッテリー等の発火対策を目的とした一般生活者向けに加え、鉄道やシェアサイクル、商業施設といった多くの人が集まる場所での延焼防止を目的とした公共機関向けを想定する。初期対応のための標準装備として、公共空間での安全確保を図る。
また、消防車に搭載し、現場での確実な鎮圧や再燃の封じ込め、隊員の安全確保に寄与する消防隊員用のプロ仕様モデルの開発も進める。共同研究においては、東京消防庁の実験施設でモバイルバッテリーや大型LIBを用いた燃焼試験を実施する。消防職員の専門的な知見に基づき、試作品の性能や操作性に対するフィードバックを受け、有効性の評価を共同で推進する。

