富士フイルムBI×帝人 「水平クローズドリサイクル」実現 複合機の使用済み外装カバーを再び外装カバーとして活用する仕組みづくりで資源循環を促進
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(富士フイルムBI)は、帝人株式会社と連携することで、複合機の外装カバーで「水平クローズドリサイクル」を実現した。
水平クローズドリサイクルとは、使用済み製品由来の材料を回収・再利用するプロセスの中で、別用途ではなく、同じ部品に品質を保持したまま活用する資源循環の仕組みのこと。今回の取り組みでは、市場から回収した使用済み複合機の外装カバーを原料とする再生プラスチック(以下、再生材)を、外観品質が求められる複合機の正面のフロントカバーを含む外装カバーに活用する。
この再生材を使用した外装カバーは、再生機「ApeosPortⅦ C Rシリーズ」および「ApeosPort C Rシリーズ」で採用される。再生機とは、使用済みの製品を分解・洗浄・修理・部品交換または、使用済みの製品の部品を必要に応じて再生し、部品を組みたて製造した新品として品質を保証した機械を指す。
外観品質が求められる製品にもリユース手法を適用可能に
近年、資源供給の不安定化や原材料価格の上昇などを背景に、限りある資源を有効活用する取り組みの重要性が増している。プラスチック資源を含む製品材料の循環利用に対する社会的要請が高まっており、製品ライフサイクル全体での資源循環の実現や、新規資源投入の抑制、廃棄物削減につながる取り組みは、企業にとって重要な課題となっている。
富士フイルムBIは、1995年に商品の企画・開発・製造段階から廃棄に至るライフサイクル全体を視野にいれた循環型システム 「クローズド・ループ・システム」を構築。市場から回収した使用済み複合機に対し、清掃や、粒子状の研磨材を吹き付けるブラスト加工により部品を再生し、部品をそのまま再利用しながら、外装を含め新造機同等の品質保証を行ってきた。
一方で、外観品質が求められる外装カバーの中には、破損や傷の状態によって従来のリユース手法では品質の確保が難しく、新品部品に交換していたものがあった。今回導入するクローズド型の再生材は、こうした従来のリユース手法では対応できなかった部位や状態に対し、資源循環の対象を広げるための新たな選択肢となる。
湿式破砕やコンパウント技術で資源の価値を維持
クローズドリサイクルを継続的に運用するには、部材の回収と投入の需給量を合わせることが重要となる。富士フイルムBIは、同社の複合機回収網と、再生機を継続的に生産してきた仕組みを活かし、使用済み外装カバーを再び再生機の外装カバーとして活用する水平クローズドリサイクルの仕組みを構築した。これにより、回収した外装カバーを別用途に使うダウンサイクルではなく、品質を保つことで同じ外装カバーに戻すことができ、資源の価値を維持しながら循環させることができる。
この取り組みでは、安定的に高品質な再生材を生産するために、市場から回収された使用済み複合機の外装カバーから金属や種類の異なるプラスチックを適切に取り除き、必要なプラスチックのみを回収・分解・選別する。さらに、部品を洗浄しながら破砕する湿式破砕方式(水などの液体中で部品を破砕する方法)を採用し、破砕時の異物混入を抑えた。
加えて、リサイクルを前提として素材を設計する知見を持つ帝人と連携し、長期使用後の再利用でも品質を維持しやすい素材を外装カバーに用いている。富士フイルムBIの回収網で選別した材料を80%という高い比率で含有しながら、帝人のコンパウンド技術(樹脂に添加剤や他の樹脂を混ぜ合わせ、機能性や物性を向上させる加工技術)で物性復元と調色を行うことにより、外装カバーとして求められるバージン材(未使用・未加工の原材料)相当の物性・色調を満たす再生材を実現した。

富士フイルムBIは、リサイクル方針「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」のもと、資源循環の促進に取り組んできた。2024年5月には、さらなる新規資源投入の抑制に向け、同社の対象製品の新規資源投入率を2030年度までに60%以下にする目標を制定。使用済み複合機やトナーカートリッジ、スペアパーツ等のリユースや、再生プラスチック、再生鉄等の再生材活用を進めている。
同社は今後、さらなるリユース部品の導入拡大など資源循環の取り組みを拡大・強化し、循環型社会の実現に貢献していくとしている。
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