TOPPAN・大日本印刷 「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参画 脱炭素社会の実現に向けカーボンフットプリント算定の統一ルールづくりに取り組む
TOPPAN株式会社、大日本印刷株式会社(DNP)はZACROS株式会社、東洋製罐株式会社、プラスチック容器包装リサイクル推進協議会、PETボトル協議会とともに、環境省の「製品・サービスのカーボンフットプリントに係るモデル事業」に参画することが決定した。脱炭素社会の実現に向け、製品・サービスのライフサイクルを通じたCO2排出量の見える化が求められる中、プラスチック製の容器包装を対象としたカーボンフットプリント(CFP)算定の統一ルールづくりに、業界全体で取り組む体制が整う。
CFP共通ルールの策定で情報の信頼性を強化
同取り組みでは、2025年6月から2026年3月までを実施期間とし、6者が協力してプラスチック容器包装のCFP算定ルールの策定を進める。2026年2月から3月を目処に、成果の報告とともに共通ルールを公開予定としている。
この共通ルールの整備は、消費者にとっても環境配慮型製品を選びやすくなる仕組みづくりにつながり、サプライチェーン全体の脱炭素推進を後押しするものとされる。
背景には、2025年2月に改定された「地球温暖化対策計画」で示された方針がある。同計画では、消費者が脱炭素に貢献する製品・サービスを選べる社会の実現を目指しており、企業によるカーボンフットプリントの算定と情報開示の強化が求められている。
ただし、企業ごとに異なる基準で算定・表示された情報が乱立すれば、消費者の混乱を招きかねない。このため、業界横断での算定・表示ルールの共通化が喫緊の課題とされ、今回のようなリーディング企業群による共同事業に注目が集まっている。
(環境省の事業概要:https://www.env.go.jp/press/press_04998.html)
TOPPANは既に独自算定ツールも開発
TOPPANではこれまでも、自社で製造するパッケージや出版・印刷物などの各製品においてCFPを個別に算出し、CO2排出量の最小化に取り組んでいる。
アルミ箔の代替素材の活用、水性フレキソ印刷の導入、再生材の利用などを通じて、パッケージ分野での低炭素化を推進。また、CFPを自動計算できるツール「SmartLCA-CO₂®」を独自に開発し、顧客の要望に迅速に対応できる体制も整えている。
今回のモデル事業への参画により、TOPPANはこれまでの知見を活かしつつ、業界全体の脱炭素推進に向けた仕組みづくりを推進する。
CFP算定の先駆者として参画するDNP
DNPでは、「環境保全と持続可能な社会の実現」を行動規範に掲げ、早くから環境課題に対応した製品・サービスの開発に取り組んできた。1997年には容器包装分野におけるカーボンフットプリント算定を開始。原材料調達から製造・輸送・廃棄まで、ライフサイクル全体のCO₂排出量を把握し、環境配慮素材を活用した製品のCO₂削減効果を検証している。
さらに、包装関連製品の売上に占める「DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGING®」の構成比を2030年度に100%にする目標も掲げており、CO₂削減効果の算出と活用も進めている。
今回の参画により、CFP算定結果の信頼性向上に寄与するとともに、業界全体での環境情報開示の促進にも貢献していく。