近畿小森会 近畿2府4県から158人集い〝真価〟共有、大阪・関西万博成功祝う、KGC、省電力や損紙削減・生産性向上、環境負荷低減、自動化ソリューション推進
KOMORI印刷機の近畿地区ユーザーで構成する第32回近畿小森会総会が10月15日、大阪市のホテルニューオータニ大阪で開かれ、統一テーマ“真価~小森会は真の価値創造を目指します~”のもと、2025年度事業計画・役員を承認した。
158名が出席した近畿小森会の総会の挨拶で、作道孝行代表世話人(作道印刷株式会社)は「大阪・関西万博が大成功で終了し、近畿小森会も共に祝いたい。関西経済の低迷から復興の兆しが見えている。しかし、紙の需要は低迷したままでシェア争いが続いている。小森会は製造会社が集うユーザー会であり、成長鈍化の中でも製造に力点を置き、自動化を進めて生産性を高めて成長を目指しており、新しいサービスでシェアを獲得することが成長につながる。ユーザーの声を聴きながらモノづくり、サービスを共に学んで成長する有意義な小森会にしたい」と述べた。
また小森会の堆誠一郎会長(宝印刷株式会社)は、「小森会の統一テーマは“真価”で、価値向上を目指している。中部では行動経済学、みちのく小森会ではAIの講演があった。AIの活用は多様性、サステナブル経営に欠かせない。基調報告では現在の印刷業界の流れが勉強できると思う」と挨拶した。
株式会社小森コーポレーション(KOMORI)を代表して小森善治取締役会長は「KOMORIは印刷現場の合理化・自動化、省エネを推進している。B2インクジェットデジタル印刷機J-throne 29の市場投入が始まり北米、中国で導入が始まった。J-throne 29は高速印刷と省エネ、高効率、高品質を兼ね備えた次世代のデジタル印刷機で高い評価を得ている。また、オフセット印刷の分野ではリスロンGXアドバンスEXエディションなどの新機種の投入やKPコネクトプロなどのソリューションを提供している。当社としても時代の変化に対応すべく環境負荷低減と自動化ソリューションの開発を引き続き進めていく」と同社の取り組みを報告した。
総会では事業報告、近畿小森会役員を承認、役員改選では役員全員が留任した。KOMORI基調報告ではKOMORIの持田訓代表取締役社長が、市場を分析した上で同社の事業を説明した。持田社長は社会課題とメガトレンドとして、①地球温暖化問題、②生産年齢人口の減少、③DXの推進、④技術革新がもたらす雇用削減と雇用創出を挙げて、賃金上昇など印刷産業への影響を示した。印刷産業が抱えるそうした課題に対し、同社ではKGC(小森グラフィックテクノロジーセンター)のリニューアルや、省電力や損紙削減・生産性向上を実現するオフセット印刷機リスロンGX/GアドバンスEXエディションの投入、最新B2デジタル印刷機J-throne29の出荷開始などで対応。環境問題についてもKOMORIエコビジョンの実現に向けた対策、海外の印刷会社として米国のDM会社、中国のトレーディングカード会社の事例を紹介した。
講演会では株式会社マネネCEO、経済アナリストの森永康平氏が「日本経済の現状と展望」を演題に、インフレ経済の中で生産労働人口の減、生成AIやDXがもたらす革新や実際の活用事例などを紹介した。総会後の懇親パーティーでは小森会の網野勝彦副会長(株式会社研文社)が「大阪・関西万博の大成功を祝いたい」と開会の挨拶に続き、乾杯の発声で杯を挙げた。