富士フイルムBI 令和7年度 資源循環技術・システム表彰において最高位の「経済産業大臣賞」を受賞、再生複合機の製造販売が評価
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、一般社団法人産業環境管理協会が主催(後援:経済産業省)する「令和7年度 資源循環技術・システム表彰」において、最高位となる「経済産業大臣賞」を受賞した。
「資源循環技術・システム表彰」は、資源やエネルギー使用の削減、廃棄物の発生・排出の抑制(リデュース)、使用済み物品の再使用(リユース)、再生資源の有効利用(リサイクル)など、資源循環の普及や循環型社会の実現に貢献する優れた技術や取り組みを表彰する。
このほど、同社の再生複合機の製造販売に関する取り組みが、「経済合理性と環境貢献を両立する事業化に成功し、日本の資源循環の発展にも大きく貢献しながらサーキュラーエコノミーの実現に寄与する優れた取り組み」であると評価された。
【再生機の製造販売における同社の取り組み】
① 分解・再製造を考慮した設計
同社は、部品の長寿命化を図るとともに、複合機を分解・清掃・組立しやすい構造にするなど、再生機製造を前提とした設計をしている。
② 使用済み機の回収量確保と、適切な選別による費用抑制
同社の複合機の多くは、顧客との保守サービス契約に基づき、インターネットを介して同社のシステムと接続されている。これにより同社は、複合機の使用状況やトナー残量、故障状況を常時把握しており、これらのデータを活用したシステムを利用して、使用済み機の回収時点で再生機製造の原資としての使用可否を自動的に判断し、必要な機器だけを製造拠点に運ぶことで回収輸送における環境負荷とコストを低減している。
③ 部品毎のリユース可否判断による適正品質と高い部品リユース率の両立
原稿送り装置などの主要なモジュールについては、複合機の内部メモリーに通電時間、プリント枚数等の稼働履歴を記録し、このデータをもとに再生機製造時に交換すべき部品を、自動的に判断が可能なシステムを構築している。また、インターネット接続を介して蓄積された使用状況をもとにワイブル分析(製品やシステムの信頼性と寿命データを評価するために使用される統計的手法)を行い、部品毎の実際の寿命を判断することで、適正品質を保ちながら部品リユース率を高めている。
④ 再生機の製造に最適化された量産体制構築による経済合理性の向上
再生機の製造拠点である富士フイルムマニュファクチャリング株式会社 鈴鹿事業所は、複合機の基幹部品を量産する工場として、交換部品の円滑な供給が可能。また、長年培ってきた量産のノウハウと改善文化が根付いている現場力を活かし、再生機の製造に最適化されたラインを構築することで省スペース化と生産性の向上を図り、経済合理性の高い量産体制を実現している。