OSPハートフル “誰もが活躍できる職場”から「東京2025デフリンピック」出場で世界へ 職場の支援と仲間のエールを励みに
OSPハートフル株式会社は、同社社員の藪野 英(やぶの えい)氏が、11月15日から26日まで開催される「東京2025デフリンピック」の男子バレーボール競技に日本代表として出場すると発表した。同社からデフリンピックに出場するのは初めてとなる。
藪野氏が所属するOSPハートフルは、障がいのある社員が多く在籍する特例子会社で、「障がいへの配慮はするが、遠慮はしない」をモットーに掲げ、誰もが活躍できる職場づくりを推進している。藪野氏の世界大会挑戦にあたっては、勤務体系の調整や特別休暇の付与など、職場を挙げてサポート体制を整えた。

藪野 英選手とは
藪野氏は大阪府出身の23歳。中学1年生のとき、ろう学校でバレーボールに出会い、健聴者との試合での悔しさをバネに競技へ打ち込んできた。昨年開催された「デフバレーボール世界選手権2024」では日本代表として出場し、6位の成績を収めた。職場では明るい性格で周囲を盛り上げるムードメーカーでもある。
「社内では、健聴者を含め手話が共通言語として使われています。ここまで障がいに理解があり、楽しく仕事できるところは少ないです。職場をはじめ、多くのみなさんがサポートしてくれることがありがたいです。今大会は日本初開催ということもあり、絶対に勝ちたいです。メダルを持ち帰って、恩返ししたいです」と意気込みを語った。
“誰もが活躍できる職場”づくり
同社では障がいの有無に関わらず全社員が働きやすい環境づくりを進めており、その取り組みが従業員の安心感につながり、直近3年の定着率は100%を達成している。また、藪野氏には大会前から大会終了までの特別休暇を付与。練習参加がしやすいように残業を抑える勤務体制を整え、競技と仕事の両立をサポートしている。
東京2025デフリンピック概要
- 開催日程:2025年11月15日(土)~26日(水)
- 参加国・地域:約70~80
- 参加人数:約6,000名(選手約3,000名)
- 競技数:21競技
耳が聞こえない・聞こえにくい人々のための国際スポーツ大会で、今年で100周年。日本での開催は今回が初めてとなる。
藪野氏が出場するバレーボール競技は、11月16日から25日まで駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開催予定。視覚で情報を伝えるため、審判がハンドサインを出したりネットを揺らしたりして判定を伝えるなど、独自の工夫が施されている。