湯島本郷マーチング委員会 湯島本郷マーチング通信が創刊100号 地域の未来を語る記念セミナーを開催

湯島本郷マーチング委員会は10月16日、東京都文京区の東京ガーデンパレスで「湯島本郷マーチング通信 創刊100号記念セミナー〜文京区の未来を語ろう・成熟社会の地域イノベーション〜」を開催。地域と企業の連携による持続可能な街づくりについて多角的に語り合った。

地域と共に歩んだ15年

主催者を代表して一般社団法人マーチング委員会・湯島本郷マーチング委員会の利根川英二氏(株式会社TONEGAWA代表取締役社長)が登壇し挨拶した。「おかげさまで100号、15年かかりました。ネットやYouTubeなどを絡ませながら作り上げ、多くの方々に協力いただきました」と感謝を述べた上で、「本日は“聞く”だけでなく“語る”場にしていただきたい。経営者として、住民として、文京区に関わる一人ひとりの視点が、未来を切り拓く力になります」と語った。

利根川英二氏

成熟社会の課題と可能性

基調講演では、株式会社ロードフロンティア代表・並木将央氏が登壇。人口減少社会における地域の課題を、文京区の特性に照らして解説した。
並木氏は「文京区は“増えていないが減ってもいない”。それで良いのかを考える必要があります」と指摘。治安の概念を人口動態と重ね合わせ、「成熟社会では“見えない治安の悪化”が進む。隣人を知らないことこそが危険の始まり」と述べた。さらに、文京区を地形的・産業的に7つのエリアに分けて捉える必要性を説き、「それぞれのエリアで思想や課題が異なる。地域の“ハブ”を作り、共助の仕組みを育てることが重要」と語った。

並木将央氏

文京区の未来を語る座談会

後半の座談会では、夏目製作所の夏目知佳子氏、ライブライブ・ねづくりやの鶴元怜一郎氏、ウエストの西村京美氏、講安寺住職の池田紗都氏、NPO法人寺子屋日々喜のえびさわけいこ氏が登壇。地域の魅力と今後の展望について意見を交わした。
「医療や教育の強さを活かすこと。地域に思い入れを持つ人を増やすことが必要」(夏目氏)、「お寺や大学が半分を占める街だからこそ、それらを経済や交流の拠点として生かすべき」(えびさわ氏)といった提案が挙がった。池田氏は「世代を超えて憧憬を覚える場所づくりが大切」と語り、地域の文化と情緒を次代へ繋ぐ重要性を強調した。

最後に並木氏は「異業種の集まりだが、話を聞いていくと“繋がっている街”だと感じた」と総括。地域の多様なプレイヤーが交わる新たな共助モデルの可能性が示された。

座談会の様子

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