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SHOWA会・役員座談会、第43回総会を10月17日に開催、40年以上続くユーザー会の新しい挑戦と展望を示す

株式会社ショーワ(長場敬太社長)のユーザーによる組織「SHOWA会」(米原正信会長)は、1983年8月27日に「ショーワ文豪の会」として発足して以降、時代の変化とともに情報交流と勉強の場として役割を拡大し、経営課題の解決や新たなビジネスを模索する情報発信の場として進化を続けている。第43回総会を目前に控えた9月18日、米原正信会長(勝美印刷株式会社)をはじめ、金子貴博副会長(株式会社金精社)、幹事の柳川満生氏(株式会社千葉印刷)・稲満信祐氏(株式会社いなみつ)・青木秀樹氏(株式会社三進社)、そしてショーワの長場敬太社長による座談会が行われ、SHOWA会の役割などが改めて確認された。
なお第43回総会を、10月17日、ホテルメトロポリタンエドモントで行う。講演会には、元バレーボール男子日本代表キャプテンを務めた川合俊一氏を招き、「私のリーダーシップ」をテーマに行われる。

左から、柳川幹事、長場社長、米原会長、金子副会長、青木幹事、稲満幹事

ユーザー会ならではの価値を追求、会員同士の繋がりで課題解決へ

―第43回目のSHOWA会の総会を控えて、お話をお伺いします。40年以上続いているユーザー会は少ないと思いますが、まず今年を振り返っていかがでしたでしょうか。

米原 ショーワさんのご協力もあり、取り組むべき事業を進めることができました。SHOWA会は時代に応じたテーマのセミナーや工場見学会などが特長ですが、特に今年のセミナーでは、AI関連や〝推し活〟をテーマにした内容など、注目度の高い内容があったかと思います。

会長を拝命して4年目になります。現在は勝美印刷の社長を退いていることもあり、以前より時間的に余裕ができました。今後はショーワさんと情報交換する時間を増やして、積極的に前向きに事業を推進していきたいと思っています。

金子 SHOWA会の会員として長く活動させて頂いておりますが、最近は、東京グラフィックサービス工業会に所属している方がメンバーとして参加されることも増えてきており、より活発な活動ができるようになってきていると感じます。

事業の中でも工場見学会は比較的多くの方にご参加頂いており、参加する度に多くの刺激を得られる事業です。また有志の会であるゴルフコンペも人気があります。しかし一方で、セミナーには、もっと多くの会員の皆様にご参加頂けるような工夫が必要だと感じています。テーマはタイムリーで有用な内容が多いので、ご参加を促す工夫ができると効果のある事業になると思っています。

青木 私自身は、三進社の代表になりSHOWA会に参加するようになりました。そのため皆さんと比べて会員としては日が浅く、この1年間は、SHOWA会がどのような会で、活動からどのように吸収したらいいのかを考えながら活動しているというのが実態です。これからSHOWA会の良さを実感していきたいと楽しみにしているところです。

柳川 幹事として思うことは、ユーザー会だからこそできることがあるということです。1人あるいは1企業が、「見たい」「やりたい」と思っても実現性が低いことは多いです。しかし、ユーザー会であれば、1人では出来ないことや、なかなか見せてもらえない所まで見学できるなどのメリットがあります。そこから今後、仕事の幅が広がり、様々な人や企業と繋がっていく可能性があるということが、すごく楽しみにしている点です。

また一方で、仕事の相談ができる場所があることはすごいことです。印刷の組合も相談ができるかもしれませんが、ユーザー会の存在は、それとは別です。ですから、私自身も質問を受けた時には出来る限りお応えしていきたいと思っています。ユーザー会は、まさに生きた情報交換の場です。最終的に会員の皆さんから会員で良かったと言ってもらえるようになるといいと思っています。

稲満 幹事を拝命して4年経ちますが、金子さんが課題として挙げたセミナーについて、多くの人が参加できる方法があるといいなと考えています。

現在も、タイムリーなテーマが多く、役に立つ内容です。しかし聞いている会員さんの中には、「そいういう立場の企業だからできる」とか、「それが出来る会社だから」というような感覚で、実践に繋がらない企業もあると思います。

そうした企業様を巻き込んでいくためにも、年1回でもよいので会員同士で本音や意見、困り事などを出し合い、正直な気持ちを発信できる座談会のような場を設けることで自社だけが困っているのではないと思ってもらえるのではないでしょうか。それによって「みんな大変なんだ」という共感が生まれ、自分達もやらなければという現実的な意識へ落とし込んでいけるのではないかと思います。

セミナーには、一方通行的な要素があります。皆さんが抱いている意見を吸い上げる場を意図的につくることで、同じような悩みで困っていることを共有する、そういう場があるのも有効なのかなと思います。

米原 今のお話をお聞きして、会員の皆さんの悩みを打ち明けられるような場があってもいいなと感じました。会の活動としては足らないところはあると思います。その部分を具体的に一つ一つ潰していける会であればいいと思っています。会長としても、何ができるのかを思い悩みながらではありますが、よりよい会にするために推進していきたいと思っています。

長場 私も前回で代替わり、事務局を担当していますが、同じタイミングでSHOWA会の幹事も変わりました。以前は、ショーワが主体的に事業内容を決めて、そこに会員の皆さんにご参加頂くイメージでしたが、現在は様々な意見が幹事さんから出るようになり、今までにない視点で進んでいます。今後もさらに新しい可能性が出てくると期待しているところです。

―セミナーのテーマ等から、SHOWA会では新しい課題にも皆さんで挑戦されているという印象があります。今後の新たな挑戦についてお聞きします。

金子 これまでのセミナーや工場見学は維持しつつ、これまで会の活動に参加してこなかった企業さまが、本当にSHOWA会に入って良かったと思えるような取り組みが必要かと思います。

全員参加の座談会や意見交換会は、実際には難しいのかもしれませんが、SHOWA会の事務局をしているショーワさんのお力をお借りして、営業活動の中でお聞きした企業の課題などの情報を頂き、事業に反映していくことも考えていくべき方法かなと思っています。

青木 私は会社に入って40年経ちますが、仕事としては、ずっと印刷の現場です。逆にいうと印刷だけに特化してきたので、全く異なることに取り組んでも絶対に失敗するという感覚があります。だから、〝本質である印刷〟の仕事に、どこまでこだわれるのかが自分自身のテーマになっています。

一方で、新しいこと、全く別の分野については、考えても思いつかないし、成功できると思っていません。ですから印刷会社の方で、新しい道を開拓したり、別のジャンルへ舵を切って成功させている方はすごいと思います。それほど印刷に浸かってきてしまったと言う点が、自分自身のマイナスでもあると感じています。

稲満 実際には、皆さんは共通のことで悩まれていると思います。例えばジャグラではDXを推進していますが、印刷業は製造業なので製造業としていかに強くあるべきかが大切だということが根底にあると思います。印刷会社にとって人が原価です。働き方や工場の導線の見直しも含めて現場づくりにしっかり取り組むべきだと思っています。

理由は、もの作りができることは〝強い〟からです。いなみつでは、新しい事業を始めていますが、印刷が強みとなって、最後まで提案できています。「印刷業」は、土地があり、機械があり、人がいないとできない業態であり、参入障壁が高い業界です。ですから市場へのアプローチを少し変えることで、印刷まで仕事を獲っていくことができると思います。

印刷業には歴史があり、文化を作ってきた業態としての信頼感があります。ですから〝印刷業〟として磨きをかけていき、時代の流れに合わせたアプローチへと変化させていくという2軸で展開することが必要だと思っています。

―ショーワは100周年に向かっている企業であり、SHOWA会は3年後に45回目の総会を迎えます。改めて、将来に向けての指針を伺いたいと思います。

米原 印刷会社として出来る事があると思います。勝美印刷も、全体の8割が印刷の仕事です。しかし今は、印刷だけで仕事は獲れません。お客様の困り事を取り込むことで、最終的に印刷に繋がればいいわけです。時には新しい仕事に繋がることもあります。

柳川 千葉印刷も本業は「印刷」です。現在は、「さかなかるた」のお陰で様々なことを展開していますが、最終的にOEMで仕事を受けることで、結果としてBtoBになります。皆さんの会社も、手法を変えて様々な市場開拓をしていると思いますが、最終的に掴みたいのは印刷の仕事だということだと思います。そこが共通していることがわかったことは、とても嬉しいです。その意味でも、なんとか印刷業を前に進めていくためのヒントをSHOWA会を通じて得たいと思っています。

ショーワさんは、PC環境など関連のシステムの構築などは得意な分野ではないでしょうか。印刷産業では、WindowsやMacなどのPC環境の中で、illustratorやInDesignなど様々なアプリケーションを活用していますが、こうしたソフトウエアの管理に強いこともショーワさんが評価されている点です。そして小回りも利きます。

アプリケーションの管理は、〝デジタル〟分野に含まれると思いますが、そのデジタルの入口をいかに作り、最終的に印刷物を作るところへと集約していくのかという点も模索をしていけたらいいなと思っています。

米原 現在、印刷の出荷額は約4兆円強だと言われていますが、印刷関連にまで拡大すると8~9兆円市場になるという話があります。広げることで市場の可能性があるということだと思います。

そうした市場を獲得するためにも、例えば、定期的に印刷を発注して頂いているお客様の困り事は何か、それに対し、どんな手助けができるのかという視点を持つ社員を育てることも大事かなと思っています。社内の環境整備や人材の育成など、会員の皆様の企業の支援になる事業を今後も積極的に行っていきたいと思っています。

第43期事業を振り返る セミナーで盛んに情報交換

第42回SHOWA会総会盛大に

第42回SHOWA会総会は、2024年10月18日東京都千代田区のホテルメトロポリタンエドモンドで行われた。

総会の冒頭には、米原正信会長が挨拶に立ち、業界は様々な課題に直面していることに触れ、「値上げなど苦しい状況の中にあり、皆様も大変な中で経営されていると思います。その中で、SHOWA会が皆様の企業の経営に役立つこととして、取り組んでいきたいと考えていることが様々あります。良い活動を行っていきたいと思います」と抱負を述べた。

第42期SHOWA会総会

「推し活」ビジネスで稼ぐヒント!

12月19日、ショーワ本社セミナールームで第1回セミナーを開催した。講師にはブライター・レイターの山下潤一郎氏を招き、「『推し活』がビジネスの扉を開く!~印刷会社が『推し活』ビジネスで稼ぐヒント!」と題し、「推し活」市場の現状や、「推し活」をビジネスに繋げるアイデアを具体的な事例を交えながら紹介した。

ブライター・レイターの山下潤一郎氏

「page2025プレビュー!」新規領域開拓の糸口学ぶ

4月16日、ショーワ本社セミナールームで、第2回セミナーを開催した。講師にブライター・レイターの山下潤一郎氏を招き、「page2025プレビュー!~見つけた!『がんがん印刷して稼ぐ!』ためのヒント~」をテーマに行われた。

印刷通販に学ぶ中小印刷会社の生き残り戦略

8月6日、ショーワ本社セミナールームとオンラインのハイブリッドで、第3回セミナーを開催した。講師にはブライター・レイターの山下潤一郎氏を招き、「印刷通販に学ぶ中小印刷会社の勝ち残り方!~『稼ぎ方改革』を進めよう!~」をテーマに、印刷通販サービスの最新動向の分析と、そこから見ええくる中小印刷業の差別化や生き残り戦略、そしてビジネスの可能性について解説した。

ショーワ本社セミナールーム

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