大日本印刷 タテヨミ型コミック「ホンコミ」とライトアニメの融合でオリジナル作品展開を加速 「陛下わたしを忘れてください」がテレビ神奈川・dアニメストアで放送開始、短期間アニメ化で作品価値を最大化途中

大日本印刷株式会社(DNP)は、自社が展開するタテヨミ型コミックアプリ「ホンコミ」と、独自のアニメ制作手法「ライトアニメ」を組み合わせた新たなオリジナルコンテンツ戦略を強化している。その第一弾として、DNPオリジナル作品「陛下わたしを忘れてください」(原作:旭まあさ氏、作画:絢原慕々氏)をアニメ化し、テレビ神奈川(tvk)およびdアニメストアなどで放送・配信を開始した。

「ホンコミ」×「ライトアニメ」で生まれる新たなIP創出モデル

DNPは、コンテンツホルダーの知的財産(IP)展開に加え、自社でのマンガ創出にも注力している。今回の施策では、ウェブトゥーン(タテヨミ型コミック)で人気を得たオリジナル作品を「ライトアニメ」により短期間で映像化。作品のトレンドが高まるタイミングで地上波・配信展開を行い、読者からファンへの転換を狙う。これにより、作品価値の最大化とメディアミックスによる収益拡大を実現する。

データ分析による“マーケットイン型”のヒット創出

DNPは、コミックアプリ「ホンコミ」と電子書籍ストア「honto」のユーザーデータを活用し、読者の嗜好やトレンドを分析。読了率やコメント、作品反応などをもとに市場が求めるテーマやキャラクターを言語データ化し、パートナー企業と共同で企画・制作を行っている。

特に世界的な人気を誇る“ロマンスファンタジー”ジャンルに注力しており、「陛下わたしを忘れてください」は配信翌日に「LINEマンガ 総合ランキング」1位(2024年12月11日時点)を記録した。今後は2025年度中に18作品の新作配信を予定している。

「ライトアニメ」で短期間アニメ化、ファン拡大と価値向上へ

DNP独自の「ライトアニメ」技術は、マンガ原画を活用してアニメを制作することで、従来よりも大幅に時間とコストを削減できる。通常数年を要するアニメ化工程を、企画開始から半年で放送開始まで実現。連載中の人気作をリアルタイムでアニメ展開することが可能となった。

今回の「陛下わたしを忘れてください」も、2024年12月に連載が始まった作品を約10ヵ月でアニメ化。ファン層の拡大と新規読者の獲得を両立させるスピード戦略となっている。今後は作品データの分析をもとに、さらなる展開や新作創出にもつなげていく。

DNPは、オリジナルコンテンツの創出からアニメ化、配信までをワンストップで展開し、作品世界の一貫性とファン満足度を重視した制作体制を構築。今後は「ライトアニメ」を軸にした新たなメディアミックス展開を推進し、2029年度までに累計10億円の売上を目指す。
また、世界中の生活者が多様なコンテンツを気軽に楽しめる仕組みの構築にも取り組み、エンターテインメント領域での新しい価値創出を進めていく。

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