東北エプソン インクジェットプリンター用ヘッド製造の新棟を竣工、将来的にヘッド生産能力を 4 倍程度まで増強可能に
セイコーエプソン株式会社は、このほど、2024年 6 月から建設していた新棟(6 号棟)が竣工した。新棟は、インクジェットプリンター用ヘッドの生産能力増強を目的とし、グループ会社である東北エプソン株式会社に約 51 億円を投資して建設が進められていた。今回の竣工により、東北エプソンにおけるプリントヘッドの生産能力を、将来的に現在の 4 倍程度に拡大する見込み。
国内における後工程の生産能力を拡大
竣工した新棟は、広丘事業所(長野県塩尻市)における「マイクロ TFP プリントチップ」前工程の増産投資に対応するべく、2023 年 12 月竣工の秋田エプソン(秋田県湯沢市)10 号棟に続き国内 における後工程の生産能力を拡大させるもの。
東北圏 2 拠点において、安定生産を実現するため機種別生産割り付けを行い、BCP 対応として主流機種の両拠点での生産やライン共用による生産変動に柔軟に対応することで、生産性向上を図る。これにより、今後の PrecisionCore プリントヘッド搭載インクジェットプリンターの需要増加に対応する製品ラインアップ強化などを可能にしていく。
新規設計の工程と成層空調システムで省人・省エネ・省コスト実現
新棟は既存のプリントヘッド生産工場棟に併設して建てられ、部品から組立までをより効率的にできるようにした。加えて、新規設計の工程による省人化・省スペース化を図り、工程内在庫の最小 化や自動運搬ロボットの導入、効率的レイアウトなどにより、作業者の負荷を低減する。
また効率的な 成層空調システムを導入し、省エネルギーと省コストを図った。これからの製造業における 課題に対応し、夜勤業務の省人化など働きやすさと合理化による高効率生産を両立する未来工場を実現する。