岩手県印刷工業組合 【創立70周年記念行事挙行】70年の歴史を胸に、ローカル・ゼブラ企業として未来を拓く

岩手県印刷工業組合は5月22日、盛岡市のアートホテル盛岡において「創立70周年記念式典・祝賀会」行事を開催した。菊池忠彦理事長は「1956年に岩手県印刷工業調整組合として発足して以来、地域の産業と文化を支えてきた。節目となる70周年を迎え、『伝える力で新たなINSATSUへ』」と新たに次代にへの目標を宣言した。また記念講演では全日本業組合連合会連合会瀬田章弘会長が「中小印刷業の成長戦略とローカル・ゼブラ」をテーマに価格競争から価値協創へ同業種、異業種、顧客との新たな価値づくりを語った。

「伝える力」と「つながり」を原点に、地域とともに価値を創造

創立70周年記念行事では記念講演、記念式典・表彰式、祝賀会が執り行われ、組合員、関連業界、来賓ら約150人が出席した。式典の冒頭に菊池忠彦理事長は「70年にわたり先輩方が築いてきたたゆまぬ歩みが、今日の組合の礎となっている」と深い感謝を述べたうえで、「この10年もまた試練の連続であった。東日本大震災の復興途上の中で新型コロナ感染の影響を受けながら、業界を取り巻く環境はいっそう厳しさが増した。また原材料価格の高騰、印刷需要の減少が続く中で、正確かつ確実な情報を適切に届けることの重要性を認識した。

記念式典で挨拶する菊池忠彦理事長

そのような中で岩手県内の市町村に対して官公需における適切な価格転嫁や知的財産の適切な取り扱いについて要望や活動を行うとともに、地元紙である岩手日報に『伝える力で、新たなINSATSUへ』と題した意見広告を掲載し、地域社会に向けて私共の決意を発信してきた。私たちが長年大切にしてきた『伝える力』と『つながり』を基盤に、地域課題の解決と持続的成長を両立する『ローカル・ゼブラ企業』を実現していく」と力強く宣言した。人口減少やデジタル化の急速な進展など、地域産業を取り巻く環境が大きく変化する中で、印刷業が果たすべき役割を再定義し、地域とともに歩む姿勢を明確に示した。

中小印刷業の成長戦略とローカル・ゼブラ

記念講演では、全日本印刷工業組合連合会の瀬田章弘会長が登壇し、「中小印刷業の成長戦略とローカル・ゼブラ」をテーマに講演を行った。瀬田会長は、価格競争に陥りがちな業界構造から脱却し、「価値協創」へと舵を切る重要性を強調。同業種・異業種・顧客との連携によって新たな価値を生み出す具体的事例を紹介し、印刷業が地域社会の課題解決に貢献しながら成長する未来像を示した。全印工連が描く中小印刷業の成長戦略は、参加者にとって大きな刺激となり、会場には前向きな空気が満ちた。

記念式典では来賓として、達増拓也岩手県知事、小山田周右岩手県中小企業団体中央会会長、瀬田章弘全印工連会長が祝辞を述べた。達増拓也岩手県知事は「県では『世界に開かれた地方創生』を掲げ、希望郷いわての実現に向けた施策を推進している。地域の情報基盤を担う印刷業界の役割はますます重要性を増している」と期待を示し長年の活動と地域への貢献を称えた。

岩手県印刷工業組合70周年記念式典会場
記念講演を行う全印工連瀬田会長
祝辞を述べる岩手県達増知事

70周年を支えた功労者を顕彰 業界発展への貢献を称える

続いて行われた70周年記念表彰では、組合功労者顕彰として斎藤誠氏(川口印刷工業株式会社)、組合功労者表として新田和央氏(第一印刷有限会社)、木村恵也氏(有限会社金ヶ崎印刷)、鈴木敦氏(鈴木印刷株式会社)、新沼興隆氏(株式会社大昭堂印刷所)、熊谷徳夫氏(有限会社柴波印刷)が受賞した。長年にわたり業界の発展に尽力してきた功績が称えられ、代表して斎藤氏が謝辞を述べた。斎藤氏は「私が理事長の時は東日本大震災直後で組合員の仕事を確保するために奔走した。大変な時代を皆様とともに乗り切り、本日の総会で新しい役員が誕生した。新しい時代を切り開いていただきたい」と謝辞を述べた。

謝辞を述べる斎藤誠氏
組合顕彰・功労者を表彰
優良従業員表彰

祝賀会では、菊池理事長が「本日の総会で新理事長に西野正寿氏を選出した。70周年を節目に岩手県の印刷業界を盛り上げていただきたい」と開会挨拶を述べた。続いて盛岡市長の内舘茂氏、階猛衆議院議員が祝辞を述べ、会場の雰囲気はさらに華やいだ。日本グラフィックサービス工業会岩手県支部の戸来一裕副支部長の発声で乾杯が行われ、佐比内金山太鼓保存会による迫力あるアトラクションが披露されると、会場は大きな盛り上がりを見せた。最後は軽石義則県議会議員による万歳三唱で締めくくられ、70周年の節目を祝うにふさわしい和やかで力強い祝賀会となった。

今回の創立70周年記念事業は、単なる節目の式典にとどまらず、組合が未来へ向けてどのように歩むべきかを共有する重要な機会となった。印刷業は今、紙媒体の枠を超え、情報を「伝える力」を核に多様な領域へと広がりつつある。地域とともに課題を解決し、持続可能な成長を目指す「ローカル・ゼブラ企業」という理念は、これからの印刷業の新たな指針となった。

70年の歴史を節目に岩手県印刷工業組合は次の時代へ向けて歩みを進める。地域に寄り添い、価値を創り、未来を拓く。その決意に満ちた節目の式典は、参加者に大きな希望と活力をもたらした。

佐比以内金山太鼓保存会の祝太鼓

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