【インタビュー~モトヤコラボフェアに向けて】価値向上・創出へのヒントを提供、印刷の力をクライアントにも
7月9日(木)・10日(金)の2日間、「アキバ・スクエア」で開催される『モトヤコラボレーションフェア2026』の開催に際し、主催する株式会社モトヤ取締役営業本部長の荘司勝頼氏、取締役東日本事業部事業部長の松浦靖氏、執行役員東京本社営業部部長の村上晃浩氏にフェアの狙いや見どころについてお話を伺った。
――今回のコラボレーションフェアのテーマと、開催の背景についてお聞かせください。
荘司氏 今回のテーマは「新商材」「ビジネスチャンス」「自動化・省力化」の三つです。印刷業界が今、大きな課題を抱えているという背景があります。中東問題の影響による原材料の価格高騰や資材の供給不足は、まだ終わりが見えない状況です。インキを減らす動きがニュースでも取り上げられるほどで、業界全体が価格転嫁という非常に難しい課題に直面しています。
ただ、価格転嫁だけを解決しようとするのではなく、付加価値のある印刷物・加工物を提案できる場にしていくことが重要だと考えています。横のつながりでコラボレーションしながら、付加価値を高めていく。そのための〝新商材〟、〝ビジネスチャンス〟のヒントを掴んでいただけるソリューション型の展示会にしたいと思っています。
――来場者のターゲットについて変化はありますか?
荘司氏 これまでは経営者の方や工場責任者の方が来場者の中心でしたが、今回は特に印刷会社の営業の方にぜひ来ていただきたいと思っています。営業の方がこのフェアでヒントを掴み、自社のクライアントへの提案に活かしていただく、という流れを作りたいのです。
さらには、印刷会社の営業担当者の方がクライアントと一緒に来場して、面白い加工物や新商材を肌で感じてもらい、そのクライアントの集客や販促に役立てていただく、という形も目指しています。
――もう一つの大きな課題として、人手不足の問題も挙げられていましたね。
荘司氏 そうです。印刷業界に限らず、人の採用がなかなかできないという問題は深刻です。仕事があっても対応できないという状況では、製造業として成り立っていかない。だからこそ、今回は「自動化・省力化」に相当力を入れて発信していきます。
自動化といっても、どこに相談すればいいのか分からないというお声をよく聞きます。しかもお客様ごとに課題は全然違う。モトヤに相談すれば、それぞれの課題に合わせていろんな形で自動化の提案ができる、そういう位置づけを感じていただけるような展示にしたいと考えています。
ロボット、AI活用
変革の種がここにある
――具体的にはどのような自動化ソリューションを展示されるのでしょうか?
村上氏 大きく二つ用意しています。一つは重量物のパレタイジングロボットです。重たいものを人が扱う作業は離職の原因にもなりやすい。ここをロボットで解消できます。しかも今回ご提案する商品は、国の中小企業省力化投資補助金の対象カタログに登録されていますので、補助金が活用しやすい。価格も1,000万円前後と比較的リーズナブルで、半額程度の補助が出る可能性もあるため、かなり身近に導入いただける選択肢だと思っています。
もう一つはピッキング作業のロボット化です。印刷業界やインクジェット業界で人が行っているさまざまな作業をロボット化できます。実際に動画もご覧いただけるようにしますが、キーホルダーのパーツをカメラで認識して組み合わせる作業や、袋への挿入・封緘まで一連の工程をロボットでこなす事例など、「ここまでできるのか」と驚いていただける内容です。今まで不可能と思われていたことが、ロボット技術の凄まじい進化によってどんどん実現できるようになっています。
――自動化分野に取り組む上で、他の商社との違いはどこにありますか?
村上氏 弊社は人材派遣事業・人材事業も手がけておりますので「人が集まらない」という課題は、数字だけでなく肌感覚で実感しています。そこがほかの商社さんとは少し違うところかもしれません。だからこそ、これは単に商品を売りたいという話ではなく、業界の課題解決として本気で取り組んでいます。
また、メーカーさんはパッケージで提案されますが、私たちは商社として、お客様それぞれの現場に合わせたソリューションを提案できます。フェアでご紹介するのはあくまでサンプルです。ヒアリングをして、試作・テスト・教育という工程をきちんと踏んで、責任ある提案をしていきます。この1年間でロボット・自動化分野のパートナー企業とのネットワークもしっかり構築できてきました。印刷業界のニーズをSIer(システムインテグレーター)に的確に翻訳する〝通訳〟の役割を担えるのが、モトヤの強みだと思っています。
――展示会場の構成と、今年の新しい取り組みについて教えてください。
松浦氏 会場は大きく四つのゾーンに分かれています。メインとなるコラボレーションゾーンには、出展者約70社のうち印刷・サイン関係の企業を中心に53社がここに集まります。新規事業提案ゾーンでは、ファブリックサインや、AIを活用した新しいビジネスモデルをご紹介します。
今回の目玉の一つが、「新規事業提案ゾーン」に出展する弊社オリジナルキャラクター「琴音 愛」を活用した会話型AIシステムです。展示会場の案内をAIが会話形式で行うというもので、来場者がスマートフォンで話しかけると、出展企業の情報やセミナーの内容なども答えてくれます。これは閉鎖型のAIモデルで、特定のナレッジだけを学習させているため、情報の安全性も担保されています。このAIエンジンは印刷会社の皆さんが自社のクライアントへ提案できるツールとしても活用いただけます。
このゾーンではNFCタグ(小型のICチップ)による新しいコミュニケーションツールもご提案します。
――展示会のデジタル化も進めているとのことですが、具体的にはどのような仕組みでしょうか?
松浦氏 昨年もお客様にご満足いただけるように受付にデジタル技術を取り入れましたが、今回、新たに来場者招待システムを搭載した展示会専用のWebシステムを構築しました。来場者登録をするとマイページが発行され、ご自分のお客様(同伴者)を招待できるようになります。招待された方は、招待した営業担当者と紐づけられた形で登録されますので、出展者側もどの会社の方が来られたかが分かり、的確な商談提案ができます。
印刷会社様の営業担当者の方が、自社のお客様を別の業者が集まる会場にお連れすることへの心理的ハードルがありましたが、この紐づけの仕組みがあることで安心してお客様をご案内いただけます。セミナーの事前申し込みもWebから受け付けており、すでに受講申し込みもいただいております。
――セミナーのラインナップについても教えてください。
松浦氏 今回は四つのセミナーを用意しています。一つ目は元刑事の森透匡(ゆきまさ)様による「人の嘘の見つけ方」。従業員管理というより、人の心理を学ぶ内容として経営者の方に聞いていただきたい内容です。二つ目は、昨年のコラボレーションフェアでも満員御礼となった印刷業界のリーダーによる講演として、今年は東京都印刷工業組合副理事長の田畠義之様にご登壇いただきます。三つ目はAIの最新活用事例、フォトショップを使った著作権問題なども含めた実践的な内容を樋口泰行様に講演いただきます。四つ目は自動化の最前線として、実際に自動化ロボットを開発・導入しているメーカーであるエプソン販売株式会社の新保純一様による具体的な事例紹介を予定しています。
――最後に、来場者へのメッセージをお願いします。
荘司氏 価格高騰・人手不足という課題はこれからも長期的に続いていきます。今こそ、付加価値を高め、自動化・省力化に取り組むタイミングです。国の補助金も活用しやすい環境が整っている今、一歩踏み出すきっかけにしていただければ嬉しいです。ぜひモトヤにご相談ください。
松浦氏 私たちの展示会は、不特定多数が集まる大規模見本市とは違い、業界関係者が集う濃密な場です。出展者にとっても来場者にとっても、「来てよかった」「出展してよかった」と思っていただける場づくりが私たちの最大の目標です。ぜひ営業担当者の方はご自分のお客様をお連れしてご来場ください。
村上氏 まずは「モトヤに相談すれば自動化の提案をしてもらえる」という認知を持っていただくことが大切です。展示会でその可能性を感じ取っていただき、具体的なニーズをぜひお聞かせください。一つひとつ一緒に具現化していきましょう。
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