【倒産情報 大阪府】スタジオ・ビーム自己破産申請
株式会社スタジオ・ビーム(大阪市中央区船場中央)は、9月1日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。同社は1971年(昭和46年)4月創業、74年(昭和49年)6月に法人改組された。当初は、教科書をはじめ印刷物の植字を手がけていたが、カタログやパッケージなどの企画、デザインへシフト。世界的なメーカーの日本法人から商品パッケージのデザインを受注するなど高い開発力を有し、2001年3月期には年収入高約4億6000万円を計上していた。その後は得意先の製造体制の変更に伴って、2010年8月にはタイ、2012年4月にはシンガポールに関係会社を設立し、積極的な設備投資を行っていた。しかし、休眠状態にある関係会社への貸付金などが不良資産化し、事実上債務超過に陥っていた。近年は従業員の独立に伴って主力得意先1社との取引を失注していたほか、生成AI(人工知能)などの活用により、商品データ加工技術の内製化が進んだことで同社への受注が減少。2023年3月期の年収入高は約9400万円に落ち込み、2期連続の当期純損失となっていた。新規案件の獲得に注力したものの奏功せず、事業の継続を断念した。負債は2023年3月期末時点で約2億1300万円。