【倒産情報 埼玉県】多漣堂 自己破産申請
株式会社多漣堂(埼玉県川越市芳野台)は、9月30日までに事業を停止し自己破産申請の準備に入った。同社は1952年(昭和27年)6月に創業、58年(昭和33年)3月に法人改組された長年の業歴を有する印刷業者。主に同業者から受注を獲得し、ポリエチレンフィルムや各種ラミネート製品などの軟包装材を対象にグラビア印刷を行っていた。なかでもコンビニエンスストアの弁当やペットボトル飲料向けの帯型フィルムやシュリンクフィルムの扱いが中心で、ピークとなる2009年12月期には年売上高約6億5000万円をあげていた。しかし、その後は環境問題によってプラスチック包装の見直しが行われるなどした影響で受注が漸減。さらにコロナ禍による受注減もあって2021年12月期の年売上高は約3億8200万円にとどまっていた。その後、受注がやや持ち直し2023年12月期には年売上高約5億7500万円を計上したものの、翌期には再度受注が落ち込むなど不安定な経営を余儀なくされていた。この間、赤字を計上して内部留保が棄損していたなか、借入金返済の条件変更を行うなどしてしのいでいたが、原材料価格の高騰が追い打ちとなって資金繰りがさらにひっ迫し事業の継続を断念した。負債は2024年12月期末時点で約3億5000万円。