富士フイルムビジネスイノベーション 人・工程・設備の見直しで、工場はもっと“最適化”できる、生産環境を最適化し、「スマートファクトリー」を実現する

スマートファクトリーで印刷工場の課題を解決

 印刷業界は現在、「人材不足」「小ロット・多品種対応」「稼働率低下」といった様々な課題への取り組みに迫られている。富士フイルムグループでは、生産物を生み出す工場において重要な「人」「工程」「設備」の各視点から、生産環境の最適化を継続的に推進し、最大の利益を産み出すことが、「スマートファクトリー」への取り組みであると捉えている。そこで、専門SEによる「データ分析・シミュレーション」と、「データ/生産マネジメント」により、『生産環境の最適化』と『スマートファクトリー』を推進している。

操作画面にはwebブラウザーからアクセスでき、モバイル端末を用いることが可能

「データ/生産マネジメント」では、総合型ワークフローシステムを実現するソフトウェア「Revoria One Production Cockpit」を中心に、工程のデジタル化と自動化を進めており、さらにはデータの蓄積・解析に基づくシミュレーションから、継続的な工程改善を実施していく。各工程では、人協働前提の必要度に応じた自動化と、柔軟性・可用性を担保。“三適生産(タイミング・量・経営リソース)”を実現し、『顧客提供価値最大化&利益最大化』を両立させ、『スマートファクトリー』を実現することを支援している。

スマートファクトリーの実現に向けては、まずデータを活用して現状を見える化する。その後、「人」「工程」「設備」の3つの観点から、最適な生産リソースを科学的にシミュレーションし、自動的・自律的に稼働するスマートファクトリーを目指す。

スマートファクトリー化が「人」にもたらす効果は、単なる人員削減ではなく、柔軟な人員配置が実施できることにある。ワークフローやRPAの活用によりスキルレスと作業の標準化が実現し、人に依存しない生産環境が生まれ、多能工化も推進できる。

「工程」にもたらす効果では、データ蓄積、モニタリング、解析により滞留が生じている工程を可視化。これにより継続的に工程の改善活動が行えるようになるとともに、取得したデータから、分析・シミュレーションによって見出された改善ポイントに対し、ロボティクスなどを活用して工程改善も実現する。

「設備」に関する効果とは、遊休設備などの見直しと最適な設備の導入で、工場全体の可動率の向上が図れる。各設備の負荷を確認し、予防保全によるダウンタイムの短縮にも貢献できる。

印刷の全工程を1カ所で管理できる「Revoria One Production Cockpit」

全工程の自動化を実現

データ/生産マネジメントの要となる「Revoria One Production Cockpit」は、印刷の全工程を1か所で管理可能な、統合型ワークフローシステムを実現するソフトウェア。「オープン化」「全工程の自動化」「見える化」により生産性向上と業務改善を実現し、印刷会社のスマートファクトリー化と印刷ビジネスの変革を推進する。「Revoria One Production Cockpit」の採用で、新たな時間が生まれ、人材をより付加価値の高いビジネス拡大のための業務やクリエイティブな業務にシフトすることができる。

①オープン化
印刷会社の生産現場に導入されている様々なメーカーのシステム・設備をつなぎ、印刷工程全体の進捗を1つのユーザーインターフェイス(UI)で行う。操作画面へはWebブラウザーからアクセスでき、スマホやタブレットPCから作業実績の入力やジョブ仕様の確認なども行える。

オフセット印刷機とデジタル印刷機を統合管理するハイブリッドワークフローも実現。他社製デジタル印刷機やオフセット印刷機との連携もサポート。JDFなどの標準的なフォーマットを介することで、受注ジョブや処理内容などを各システム・設備とオンラインでやり取りする。JMF対応の印刷機/加工機であれば、連携機器の処理状況もリアルタイムに把握。オンライン接続できない機器も手動入力やバーコード処理で、オンライン接続機と一括管理が可能になる。

②全工程の自動化
受注から発送まで全工程の最適化が可能になる。全工程を網羅し、上流システムから取得した情報や事前設定に基づき、ジョブ情報を自動で各工程に流すことができ、真の生産性の向上が期待できる。

用紙種類など、同じ属性のジョブを自動でまとめてグルーピングして印刷を行う。用紙替えなどの手間やジョブ間のダウンタイムを最小化できるので、より効率的な印刷が実現。印刷枚数/加工処理数、各機器の処理能力、各機器の稼働予定に基づき、各機器の空き状況から、あらかじめ印刷/加工のスケジューリングを自動で行う。これまで人が行っていた作業を自動化することで、効率的なスケジュールが短時間で組める。

下版日を起点としたスケジュールや、納期の迫っているジョブから印刷/加工するなど設定した条件に基づいたスケジューリングも可能。印刷機、加工機それぞれの機材をグループにして、グループ内の任意の機材でジョブを処理するなど、柔軟な作業計画と実行をサポートする。
なお、運用によっては自動化だけでは対応しきれない工程が存在する。そうした場合も、管理者からの申し送り事項の伝達、手動操作、再印刷機能をサポート。自動で作成されたグループジョブやスケジューリングは、実態を見ながら手動で調整でき、印刷/加工/検品/発送工程のステータスはオペレーターが目視確認後に手動で完了できる。

③見える化
工場全体の各種機材の詳細な稼働計画をビジュアル的に表示することで、直感的に業務を進捗管理する。長時間にわたる業務に対して、分割した作業を計画することも可能で、実業務に即した作業計画と進捗管理が実現する。
受注ジョブは、「受注」「製品」「部品」の3階層の単位で細かく管理され、印刷・加工発送などの各工程に適した各単位で処理される。ジョブごとに各単位の生産実績/計画をタイムラインで表示。ステータスが色表示されるため、エラー/警告状態もいち早く見つけることができ、納期遅れの発生リスクを軽減する。

印刷機/後加工機のステータスを「見える化」する画面

各印刷機/加工機の生産計画と実績のギャップを、リアルタイムに表示する。1日分としてスケジューリングされているジョブの進捗率と生産余力時間を一目で確認でき、随時、余力のある機器にジョブを振り直すこともできる。

製品ごとに異なる工程をワークフローテンプレートとして構築可能。各工程に変動費、固定費を設定でき、材料費、送料とあわせてジョブ処理前にコスト見積を行える。テンプレートを切り替えて、異なる工程で制作した場合のコストも簡単に算出でき、ジョブの採算性向上に役立つ。

処理した実績データを簡易的に集計してビジュアル的に表示できる。ログをExcel形式でエクスポートでき、任意でデータを編集・集計したり、BIツールと連携させて分析することで、コスト/マシン稼働率/トラブル要因/工場稼働率等の生産状況を可視化。経営判断を支える情報として活用できる。

〔問合先〕
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
お客様相談センター
TEL:0120-27-4100

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