京セラ サーマルプリントヘッド『TPAシリーズ』を開発、8月から量産開始 印字速度250mm/secで高画質と長寿命を両立、物流・医療現場のDX促進へ
京セラ株式会社は、物流、食品加工、医療など多様な業界で使用されるバーコードラベル向けに、高速・高精細な印字を可能にするサーマルプリントヘッド『TPAシリーズ』を開発した。業界最高速レベルの250mm/secでの高画質印字を実現しており、2025年8月から量産を開始する。
近年、世界的な人口増加や新興国における都市化の進行により、消費財の流通が加速している。これに伴い、物流量の増加とともに、配送情報や食品表示などのバーコード印字ニーズも高まっている。一方、先進国では労働力不足への対応策として、業務の効率化や自動化が求められており、プリントヘッドにも高い耐久性と印字品質を兼ね備えた製品が求められている。
こうした市場背景を受け、京セラは発熱体形成や成膜など独自技術を結集し、印字品質と生産性の両立を図った新製品を開発。高速印字の安定化、取り付け自由度の向上、耐環境性能の強化など、3つの特長を備えている。
高速印字と高精細を両立
京セラ独自の発熱体形成技術により、印字速度250mm/secという高速印字を実現。書き始めから書き終わりまで一貫した高画質が維持され、業務効率と印字品質の双方に貢献する。
ヘッド取り付け位置の許容範囲を拡大
従来構造を見直し、発熱体からの熱伝導効率を向上させたことで、ヘッド取り付け位置の許容範囲を拡大。これにより、印字幅全域にわたり多様な媒体に対して安定した高画質印字を可能とした。設計・組み付け工程の自由度が増し、装置設計の柔軟性向上にも寄与する。
高耐久・高信頼性で長距離印字を実現
京セラ独自の成膜技術を採用し、耐腐食性および耐摩耗性を強化。これにより、高い堅牢性を確保しながら、摩耗の少ない長距離走行印字を実現した。