博報堂メディア環境研究所 メディア接触時間は1日440分、スマホは過去最高の165分に テレビスクリーンでの配信視聴も定着

博報堂メディア環境研究所が2025年1月下旬から2月上旬にかけて実施した「メディア定点調査」の時系列分析結果が公表された。調査によると1日あたりのメディア総接触時間は440分に拡大し、携帯電話・スマートフォンの接触時間は165.1分と過去最高を更新した。

調査は15~69歳の男女650人を対象に、メディア接触の実態と意識の変化を明らかにするもので、2006年から継続して実施されている。本年の結果からは、スマートフォンを中心とした接触時間の増加と、テレビスクリーンでの多様な配信コンテンツ視聴の定着が読み取れた。

1日あたりの総接触時間は440分に拡大、スマホは過去最高を更新

1日のメディア総接触時間は440.0分となり、前年より約8分増加。「携帯電話/スマートフォン」の接触時間は165.1分と過去最高を更新した。
一方で、近年減少傾向にあった「テレビ」は122.1分と微減(前年差-0.4分)にとどまり、「雑誌」は9.2分(同-0.3分)で下げ止まりの様相を見せている。さらに「ラジオ」は24.0分(同+1.0分)、「新聞」は10.7分(同+1.5分)と、いずれも前年より増加に転じた。スマートフォンを軸に、依然として総接触時間はコロナ前より高い水準を維持している。

TVerの利用率が59.7%に、主要配信サービスの中で堅調な伸び

「定額制動画配信サービス」は64.3%(同-0.2ポイント)、「定額制音楽配信サービス」は48.3%(同-2.7ポイント)と、各種配信サービスの利用率が横ばい傾向となる中、「TVer」の利用率は59.7%と好調(同+5.9ポイント)。
2020年の19.8%から約3倍に拡大しており、コロナ禍以降も安定して支持を広げている。

テレビスクリーンでの見逃し配信・動画視聴が約5割に

テレビスクリーンでのコンテンツ視聴については、「録画」が69.6%(同-5.4ポイント)と減少した一方、「見逃し配信」は50.0%(同+4.9ポイント)で約半数を突破。「無料動画」55.7%(同+2.5ポイント)、「有料動画」48.2%(同+2.9ポイント)もそれぞれ増加傾向にある。
コネクテッドTVの普及を背景に、配信コンテンツのテレビ視聴が一般化。テレビが多様なプラットフォームに対応する「マルチスクリーン端末」としての存在感を強めていることがうかがえる。

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