日本HP 国内初、尾崎スクリーンが熱転写サービスに「HP Indigo 7K」導入 転写印刷の生産性を劇的改善、転写製造時間は従来の約5時間から約30分へ

株式会社 日本HPは、熱転写シート製造・加工を手がける株式会社 尾崎スクリーンが、「HP Indigo 7Kデジタル印刷機」を国内で初めて熱転写サービスに活用したことを発表した。導入により、従来課題だった後工程の手作業負担を大幅に軽減。さらに高品質・高耐久性を両立し、尾崎スクリーンのIndigoデジタル印刷転写サービスは同社売上の約20%を占めている。

工程時間1/10、人員1/4に削減 HP Indigoが支える次世代の転写プリント

尾崎スクリーンは、Tシャツやユニフォームなど向けに熱転写シートを製造・販売する専門企業。従来のデジタル転写サービスでは、シルク印刷による糊付けやパウダー処理など多工程が必要で、印刷見当のズレによる手動調整なども課題となっていた。

しかし、「HP Indigo 7K」導入により、後工程の自動化と見当精度向上を両立。転写製造時間は従来の約5時間から約30分へ、人員も1ラインあたり8名から2名へと大幅な効率化に成功。大量ロットにも対応可能な生産体制が整ったことで、需要増に柔軟に応えることが可能になった。

RGB印刷と高精細プリントで、アニメ・イラスト表現も高再現

Indigo 7Kは、通常のCMYK印刷に加えてRGBやスポットカラーを活かした最大7色印刷に対応。これにより、グラデーションや微細な線画なども高精度に再現でき、アニメやイラストといった色表現が重視される用途でも優位性を発揮している。

さらに、使用するインクや素材は「OEKO-TEX® STANDARD 100 クラス1」の安全基準をクリア。赤ちゃんの肌にも安心な品質を担保し、環境配慮と高耐久性の両立を実現した。

HP Indigo 7Kデジタル印刷機による印刷サンプル。一部、アナログ印刷との組み合わせを含む。

高付加価値サービス「D.O.T.」で新たな転写ビジネスへ

尾崎スクリーンでは、Indigo印刷と水性スクリーン印刷を融合した独自手法「D.O.T.(デジタルオフセットトランスファー)」を開発。DTF(Direct to Film)やPOD(Print on Demand)とは異なるアプローチで、高発色・高耐久・大量対応を可能にする新たなマーキングサービスを提供している。

同社常務取締役の大須賀氏は、「日本HPの熱意ある提案がきっかけで『いつかはIndigo』が素晴らしい形で実現できました」と語り、今後はHPとのパートナーシップを強化し、グローバルな視点と異業種連携による新たな市場開拓を目指す考えを示している。

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