東京都印刷工業組合 CO₂排出量の「見える化」プロジェクトを受託 デジタル技術を活用した販売力強化へ、5年連続で東京都の支援事業に採択
東京都印刷工業組合は、「デジタル技術を活用した販売力強化プロジェクト」の委託事業者として、東京都中小企業団体中央会より採択された。令和3年度以降5年連続での受託となる。
今回の取り組みでは、「印刷物のCO₂排出量の見える化ならびにカーボンオフセットによる販売力強化プロジェクト」を実施。組合員各社のCO₂排出量を定量的に把握できる仕組みを構築し、環境配慮型の事業活動を促進する。印刷業界におけるカーボンニュートラル実現への道筋を示し、サプライチェーンにおける役割の強化とともに、新たな取引機会の創出にもつなげていく。
同事業は、東京都と東京都中小企業団体中央会が連携して展開する中小企業組合等新戦略支援事業の一環。革新的なデジタル活用による団体活動の先進モデルとして成果の波及を狙うもので、履行期間は令和7年6月1日から令和8年3月15日まで。事業予算は約5,000万円。
今回のプロジェクトでは、3つの柱を軸に事業が展開される。
① CO₂算定システムの構築
組合が独自にCO₂算定ツールを提供し、組合員各社の排出量を集計。組合全体の推計値も可視化し、業界として環境課題へ取り組む姿勢を対外的にアピールする。
② カーボンフットプリント算定システムの整備
今後、温室効果ガス排出の開示義務が拡大する中で、印刷業にも製品単位でのCO₂算定が求められる可能性が高まっている。新システムにより、取引先の要請へ的確に応える体制を構築し、継続的な取引や新規案件の獲得を支援する。
③ カーボンオフセット事業の展開
設備投資によるCO₂削減を後押しするため、助成金制度の紹介も行う。また、全日本印刷工業組合連合会と連携し、カーボンクレジット購入を通じた環境対応施策を推進する。
事業の成果は、令和8年3月15日の報告書提出をもって取りまとめられる予定。東京都印刷工業組合は、今後も継続的な環境対応と業界の競争力強化を見据え、デジタルとサステナビリティの両輪で価値創造に取り組んでいく。