国際文具・紙製品展(ISOT) 「第34回 日本文具大賞」グランプリ発表!コクヨの新発想ハサミが頂点に やまと印刷の絶滅危惧種の紙クリップやカール事務器のミニクラフトパンチセットが優秀賞を受賞
東京ビッグサイトで開催された第34回 国際文具・紙製品展(ISOT)で、「日本文具大賞」のグランプリが発表された。文具ファンや流通関係者が注目する同アワードは、その年の優れた文具を表彰するもので、販促機会や最新トレンドを知る貴重な場として、年々注目度が高まっている。
今回は例年の「機能部門」「デザイン部門」「サステナブル部門」に加え、「トレンド部門」が新設された。時代性や市場ニーズを捉えた革新性の高い製品に光を当てることで、より多角的な評価が行われた。
グランプリは、コクヨ「ハサミ<サクサ>(グルーレス刃)」
2025年のグランプリに選ばれたのは、コクヨ株式会社の「ハサミ<サクサ>」。刃に独自構造「傾斜インサート」を搭載し、利き手を問わず快適に切れる画期的な設計が高く評価された。厚手の素材やビニールなどもスムーズに裁断できる切れ味と、力の弱い人や操作に不慣れな人にも優しい操作性を兼ね備えている。
同製品の開発には、ユーザーとのワークショップを重ねたインクルーシブな視点が取り入れられており、「誰にとっても使いやすい文具」として、今後のスタンダードになる可能性を示している。
注目の優秀賞も個性豊かに、多彩な製品が受賞
今回の日本文具大賞では、グランプリ以外にも多彩な優秀賞製品が選出された。書くことに集中できるノートや、環境配慮型の紙製クリップ、日本文化をテーマにしたクラフトパンチなど、それぞれの部門でアイデアや技術の光る製品が並んだ。
最優秀受賞作品(一部抜粋)
■【デザイン部門】「iAノートブック」Information Architects 株式会社
“書くときに見えて、読むときに消える”透かし罫線を採用。筆記に集中できるよう、視覚的・感覚的ノイズを極限まで排除した設計が特徴。素材はすべて紙で、製本も手作業による仕上げ。
■【サステナブル部門】「絶滅危惧種の紙クリップ」やまと印刷株式会社
絶滅危惧種をモチーフにした紙製クリップ。見た目のインパクトに加え、日常使いを通して環境意識を喚起する商品として評価された。
■【トレンド部門】(新設)「ミニクラフトパンチセット ジャパンコレクション」カール事務器株式会社
富士山や盆栽など日本文化を象徴するデザインを、クラフトパンチに採用。海外観光客向けのお土産としても注目されている。
この他にも、書き心地や機能性にこだわったノートやペン、工作や学習を楽しくする新アイデア商品など、各社の独創性が光るラインアップがそろい、来場者の関心を集めていた。
「トレンド部門」で広がる文具の可能性
今年新設された「トレンド部門」は、推し活・ウェルビーイング・インバウンド対応など、文具における新しい潮流を評価の軸とするもの。市場の変化を捉え、今後の文具開発に影響を与えるアイデアや技術を持つ製品を表彰することで、アワードの役割がさらに進化している。
受賞製品一覧はこちら:https://www.lifestyle-expo.jp/summer/ja-jp/about/isot/award/winning-products.html