【新星コーポレィション】業界の課題解決とビジネス拡大の道筋
株式会社新星コーポレィションは、印刷およびサイン&ディスプレイ業界に向けた資材・機材を幅広く取り扱う専門商社。国内外の優れた印刷資機材の提供に加え、マテリアルサプライヤーとの協業により、インクジェット関連を中心としたオリジナル製品の開発・販売をしている。顧客の経営課題や将来的な展望を丁寧にヒアリングし、機材・資材・ソフトウェアなどを最適に組み合わせることで、長年にわたって培った知見と柔軟な提案力を活かし、ビジネスの目標達成をサポートしている。同社の印刷会社のDX推進を支える取り組みについての記事を紹介する。
世の中の製造業、サービスはDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉をマイルストーンにして様々な変革に取り組んでいる。印刷業界も同様に、DXを基盤とした取り組みが必要になっている。様々な産業で課題となっている労働力不足への対応やコスト上昇に伴う省力化や合理化、自動化された生産手法への変更、そしてデジタル化やAIを活用した新たな手法。そして今までに取り組まれてきた内容のさらなるブラッシュアップも必要となっている。部分最適化ではなく、全体最適化が強く求められているといえる。
印刷の製造プロセスはデジタルに置き換わってはいるが、最終的な成果物の多くは印刷物で「もの」が伴う。出版物の出荷量は減少が止まらない中、コミック関係はデジタルの伸長が著しく、コミック全体の70%(2023年)はすでにデジタルに置き換わっている。
しかしその一方、印刷業界の出荷量が減少している中で一般消費に支えられているパッケージ関連製品は、唯一出荷量を維持している印刷物となっている。また、パッケージのデジタル化の進展は他の印刷アプリケーションに比べて低いと言われている。今後Z世代の購買行動の変化、コスト上昇に伴う物価高が継続するのであれば、消費行動も影響を受けて順調な見通しを約束するものではない。変革に挑まないと、継続的な成長は難しいかもしれない。何かしらの対応を見出して先手を打つことが重要になってくる。
校正システムの提案
新星コーポレィションは、印刷業界でソリューションを提供する総合商社としてお客様のビジネスの成長のサポートをミッションとしている。厳しい経済・経営環境が続く中、省力化や生産の自動化への足掛かりとして、生産プロセスの一部分ではあるが、校正のデジタル化を様々な印刷市場向けに、プリンター、RIP、カラーマネージメント、メディアを組み合わせた包括的なソリューションの提案をしている。
通常の紙ベースであれば水性インクジェットが主流であるが、パッケージ、軟包装向けにはUVや溶剤タイプのインクジェットプリンターの活用を提案している。生産プロセスの一部分と述べたが、校正は印刷に至る工程全体の中ではデジタル化されていない最後の牙城のようなところであるから、ここがデジタルに転換していけば、全体のデジタル化が整備され最適化への道筋が整う。
また校正は現状では熟練した技量が必要であるが、デジタル化されることで工程の作業が一般化され、品質面も属人性から脱却できる。カラーの品質基準も定性化できるので技術伝達も容易になる。労働力不足、熟練工不足に悩むのではなく、人材育成に向けて即応的な対応が可能になってくる。そして、品質の安定化については、自社ブランドの用紙や専任スタッフによるカラープロファイル作成サービスの提供で、ユーザーのニーズに合った、きめ細かいサポートを実現している。
加飾印刷を実現するソフトウェアツール
印刷の価値を向上させる新たなビジネス開発をサポートする、加飾印刷を実現するソフトウェアツールの紹介をしている。加飾印刷で視認性の向上を図ることのできる、メタリックカラー印刷用のColor-Logic(カラー・ロジック)と、蛍光インキを使用したビビッドなイメージ再現を容易にするTouch7(タッチセブン)である。Color-Logicは、シルバー・ゴールドをベースにしたメタリックカラーをデザインに組み込むことで、デザイン表現を強力にサポート。Touch7では蛍光カラーのピンク、ブルー、イエローをデザインに組み込むためのツールを提供している。
両製品ともAdobe CCで稼働するデザインツールになる。共通した特徴としては、印刷再現の可能なカラーパレットを提供し色指定を簡単に行える。そのカラーパレットを包括した色見本帳の作成ツールの提供。Adobe Photoshopでオリジナルのイメージデータから、シルバ―や蛍光色の版を生成する機能などである。
従来であれば、元のイメージ―データからそれぞれの版を生成する手順として、カラーイメージのグレーへの変換、どの版からどの程度の成分を置き換えるのか、元の版とのバランスなどを試行錯誤して作成しなければならない。このColor-Logic・Touch7が提供している機能では、わずか1回のクリックで自動的にデザインの前準備となるシルバ―や蛍光色の版が生成される。デザインでの大きな工数の削減となり、デザインに集中することでその質を高めることができる。
そして、Color-Logicではメタリックカラーでどのような表現となるかを予想するエフェクトプルーフとして、FX-Viewerというメタリックカラーのデザインをモニターで3D表示し、光の具合の効果を確認できるツールを提供している。プリントアウトしなくともモニターで確認することで工数の削減・短縮が期待できるし、同一の環境を整えれば、即応性の高いデザインの確認を関係者とできるようになる。
このColor-Logic・Touch7は従来のどの印刷方式でもデジタル印刷でも活用ができる。特に5色目、6色目を搭載したデジタル印刷機も運用され始めており、オンデマンド・小ロット対応のみならず加飾印刷を実現して、多彩な印刷表現でその価値を高められる。
併せてアプリケーションの幅が広がることで、機器の稼働率の向上も期待できるので、オペレーションコストを抑えることにもなる。加飾印刷というと、何か大きな機械で特別なことをするイメージがあるが、大きな投資をせずともソフトウェアの整備で実現が可能である。
厳しさを増すビジネス環境において、その転換のために大きな投資ではなく、少しの工夫とアイデアで変化は生み出せる。破壊される側でなく、創造的破壊者となれるようにDXの足掛かりを作りビジネスをリードしていける提案を、新星コーポレィションは今後もおこなっていく。
【会社情報】
株式会社新星コーポレィション
本社:東京都練馬区高野台2丁目16番17号
電話:03-5372-1321
HP:https://www.sinsei-corp.co.jp/