東京技術協会 ハイブリッドマニュアルのビジネスモデルを提案~『2.5D動画』から立体イラスト、印刷へ展開
株式会社東京技術協会は1919年に創業し、機械設計図のトレース作業員を派遣し仕上がり図面を青焼きする業務から事業を始め、印刷事業に進出。戦後そのノウハウをもとに、設計図から立体図を起こすテクニカルイラストレーションを導入。国産初の旅客飛行機YS-11の立体分解図の設計図からの制作を打診され、これを用いたパーツカタログの制作・印刷の受注を皮切りに、大手メーカーを始め多くのマニュアルの製作・印刷で絶大な信頼を得ている。以降もテクニカルイラスト、2D/3D、CG、CAD等の3Dコンテンツ制作やVR開発などで高い技術力を発揮し、これらを加えた、「ハイブリッドマニュアル」を印刷会社と組んで市場を開拓している。
鈴木將人代表取締役は、「コロナによって委縮していた活動が戻ってくると同時に、DXを活用してどれだけ生産性を上げられるかに関心が向いています。その中で当社では現在、印刷業者と共に行っていく事業として、『2.5D動画』に力を入れています」と述べる。
『2.5D動画』は、2Dの線画を立体的に表現する2.5Dイラスト『テクニカルイラストレーション』をアニメーションにした動画コンテンツ。線画イラストを動かすことで、見せたい構造や仕組み、動きなどを文字や音声付きで分かりやすく表現できるメリットがある。線画で製作するため、必要なシーンを取り出して印刷図版にでき、本やチラシなどの印刷物との親和性も高く、さらに3Dモデリングが不要なため、3DCGの約半分の製作費にコストカットできるメリットも大きい。
実写や3DCGなどより構造・仕組み・動きが分かりやすいため、技術プロモーションや各種マニュアル、教科書・テキストなどへの活用が可能で、主な用途としては、企業サイトやYouTube等にプロモーション動画、タブレット等のコンテンツ動画の使用が挙げられる。しかし、これらはあくまで一つの例で、過去には特許申請のための図面作成の依頼等も引き受けており、特定の用途に囚われず、各企業で求められる多様なアイディアに対応ができる。
印刷会社と共同で「2.5D動画」市場へ
同社は『2.5D動画』を印刷会社と協力し、コラボレーションをして市場開拓を進めている。しかし、印刷会社側にIT分野に精通した社員がいない等で敷居が高くなっているという点や、デジタル媒体を作成することで印刷の需要が減ってしまうのではないかという懸念がある。これらに対して同社では、製作に当たって同社の営業マンやオペレーターが取材の段階から関わりヒアリング・取材から企画・製作まで行うことで解消をしている。また、デジタルコンテンツを制作した場合に印刷の需要が減ってしまう懸念に対しても、3Dではなく線画であるため印刷図版として利用することで、印刷と動画コンテンツの需要を確保し、顧客のパイプをさらに高めることができる。
同社の営業部新規事業チームリーダーの津嶋浩二氏は「当社ではアナログ・デジタル両面に精通した人間が取材からデザイン提案、イラストの描きおろし、シナリオ企画など、上流から携わって製作ができます。印刷会社の営業マンとして打ち合わせに同行することもでき、成果物は印刷会社の商品として提供できます」と、創注を支えていく姿勢を述べている。
印刷業界とコラボレーションをしていく中で、同社が得意としているDXの分野を、『2.5D動画』は担い、印刷会社の視点からニーズを掘り起こす。
「サービスや商品を身近に感じて頂くための動きから始めます」と津嶋浩二氏。
鈴木將人社長は「まずは『2.5D動画』に対してシンプルなイメージを持っていただくことが大事です。『2.5D動画』の導入に至らなくても、印刷会社がそういう提案をできるということが大切です。そこから新しい展開に繋がっていくことも望ましいことです」。と今後の展望を述べている。
株式会社東京技術協会
所在地:東京都中央区銀座1-8-16
銀座アスタービル4F
代表者:鈴木將人氏
TEL 03-3528-6741
FAX 03-3528-6745
https://www.togi.ne.jp/