KSフォーラム 大東印刷工業の“見える化”学ぶ~単品損益からの改善と定量的評価制度

今年度第3回目のナレッジシェアリングフォーラム(山田周会長/㈱あけぼの印刷社、KSフォーラム)が12月11日、東京都墨田区の大東印刷工業株式会社で開催され、同社が取り組む“見える化”とその背景を研修した。

大東印刷工業の取り組みを説明する佐竹氏
大東印刷工業で“見える化”を学んだKSフォーラム

KSフォーラムはリコープロダクションプリンターのユーザーで構成され、プリントオンデマンドに限らず企業経営に関わるノウハウを共有する場として活動している。今回は“「見える化」による人的稼動効率向上がもたらすメリット~収益改善から働き方改革、定量的利益分配~”をテーマに、大東印刷工業代表取締役社長の佐竹一郎氏、同社営業企画部部長の中島章裕氏が同社の取り組みを説明。公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)理事の花房賢氏がJAGAT印刷産業経営力調査から会員の動向を解説した。その後、工場を見学し、最後は参加者のディスカッションに移った。

大東印刷工業は従業員61名の商業印刷物を主体とした印刷会社。スカイツリーを望む向島地区に3つの拠点を構え、主要工程をほぼ内製化している。管理会計によるマネジメントを取り入れ、工程単位での原課の見える化、受注単位での見える化を進め、単品利益管理によって改善ポイントを抽出し、労働生産性の最大化を目指している。とくに時間コストの管理は全社員に浸透。印刷業界の平均値よりも高い労働分配率、計画生産による高い有休取得日数、低い平均残業時間を実現している。

ディスカッションでは1時間を超えて意見が交換され、大東印刷工業のナレッジを共有。とくにインセンティブの管理手法や、徹底した定量的人事評価について多くの質問が出された。

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