東印工組 東京都中小企業団体中央会委託事業としてCO₂排出量算定システムを構築、2026年1月から順次リリース 組織・製品単位の見える化で脱炭素対応と販売力強化を支援

東京都印刷工業組合(東印工組)は、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量開示が求められる流れを受け、東京都中小企業団体中央会の委託事業として、「デジタル技術活用による販売力強化プロジェクト」を本年 5 月に受託し、組織単位と製品単位の2種類の CO₂排出量算定システムに加え、カーボンオフセットの実行支援プログラムを構築した。

同事業では、脱炭素に興味のある組合員が広く活用できるよう無料期間を設け、組織単位のCO₂排出量算定システムは1月、製品単位のCO₂排出量算定システムは2月に順次提供を開始。中央会の事業期間終了(令和8年3月15日)後の4月から有料版を本格リリースする。

脱炭素対応を見据えた算定システムを整備

東証プライム上場企業では、2027年3月期の有価証券報告書から、サプライチェーン全体で発生する温室効果ガス排出量「Scope3」の開示が求められる見通しとなっている。直接取引の有無にかかわらず、対応の遅れが取引継続に影響する可能性も指摘されている。

こうした状況を踏まえ、東印工組は印刷物のCO₂排出量の見える化を通じ、組合員の販売力強化を図る取り組みとして、「デジタル技術活用による販売力強化プロジェクト」を本年5月に受託した。

組織・製品単位の算定とオフセット支援

組織単位のCO₂排出量算定システムは、請求書などの会計データを基に、Scope1からScope3までの排出量を容易に算出できる点が特長となっている。

一方、製品単位の算定システムでは、見積書に記載された内容を基に案件ごとの排出量を算出する。工程が案件ごとに異なる印刷業の特性を踏まえ、製品単位での環境負荷を可視化することで、顧客への新たな提案手法としての活用が期待される。

さらに、J-クレジットを活用し、CO₂排出量を実質ゼロとするカーボンオフセットの実行支援プログラムも用意し、2026年4月からの提供開始を予定している。

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