真興社 デジタルコンテンツファクトリーの実現へ~課題を解決し、魅力ある企業づくりを目指す

 株式会社真興社は、激変する環境変化の中でも持続可能な印刷会社を目指して、様々な改善への取組みに挑戦している。最近では、市場の創造や獲得に向けた“創注”に繋がる取り組みを展開。自社の強みとなるコアビジネスを再確認し、営業面と製造面の2つの側面からの成長戦略に着手している。

真興社は、JDFを導入している優れた企業を表彰する「CIPPIアワードで、2009年には『プロセス自動化技術を最も革新的に活用した事例部門』および『最優秀プロセス自動化の導入事例-アジア・パシフィック地域』の2つの賞を受賞。早期から自動化や生産ワークフローの最適化に取り組んできた。

CIM化の目的

 加えてコロナ禍以降は、オンライン環境を活かした柔軟な働く環境の整備や、顧客先との校正作業の効率化なども実現。これまで不確かだった手順・ヒト・時間など経営資源の見える化も進めてきた。

 生産現場の改善では、印刷のOEE(総合設備効率)の向上にも着手。OEEを向上させるにあたり必要なことについて福田社長は、①IoTの活用、②自動化・作業の省人化工程との連携、③品質の標準化と検索機能の強化、④単独管理ではなく群管理への移行、⑤カラーマネジメント、の5つを挙げている。これにより、ビジネススピードが迅速化し、顧客満足度の向上やコスト削減・業務効率化が実現するとしている。

 OEEの向上では、JDFにより全ての工程の見える化を進めている。その結果、印刷の準備時間と停止時間が明らかになり、改善すべき課題が表面化。MIS(基幹業務システム)では「PRINT SAPIENS」、PCS(業務実行システム)で「Neostream Pro」、PS(製造実行システム)で「Printnetwork」をそれぞれ活用し改善活動を進め、印刷機の1日の平均時間を改善した。

 現在はさらなる自動化の実現に取り組んでおり、属人化していた作業の見える化とフローの再構築により人のタッチポントを減らすCIM化(コンピュータ統合生産)による「デジタルコンテンツファクトリー」の実現に取組んでいる。これにより15回(見積~受注~製品仕様~プリプレス工程~面付~校了・責了~製版~インキ量調整~印刷予定決定~刷版選別~印刷・刷了製品~検品~品質管理~納品~請求)あったタッチポイントが、5回(積算見積~受注~工程管理~印刷・仕上げ工程~納品・請求)に削減。

 同社は今後も、生産改革を推し進めていく方針で、現在では二交代制を廃止。印刷機オペレーターが後加工作業にも携わるなど人員配置の最適化も実現しているという。今後はさらにワークフローを磨き上げ、多様な働き方の実現など進化を続け、魅力ある企業づくりへと邁進している。

株式会社真興社
所在地:東京都渋谷区
猿楽町19-2
代表者:福田真太郎氏
TEL 03-3462-1181
FAX 03-3462-1185
https://www.shinkousha.co.jp

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