クロス・マーケティング SDGs調査で認知度は高いが身近に感じられないなど課題も明らかに

マーケティング・リサーチや、それに関するコンサルタント業務などを行っているクロス・マーケティングでは、「SDGsに関する調査(2021年5月)」を行っており、その結果を発表している。それによると、SDGsの認知率は67%に上っており、2年間で約4倍に到達した。一方で、実現には疑念の声もあり、個人でもできる活動の選択肢の広がりが課題と考えられる。

2015年9月の国連サミットでSDGsが採択されてから、今年で6年目となり、コロナ禍の今、SDGsはどの程度浸透しているのかについて調べている。

SDGsの認知率については67%で、そのうち“名称も内容も知っている”と答えた人は34%だった。2019年調査時の認知率は14%であったため、2年間で約4倍に上昇した。

またSDGsの17の目標のうち、“名称も内容も知っている”ものは、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「すべての人に健康と福祉を」の4目標で、いずれも30%台だった。 SDGsに関連する活動や用語の中で、ポジティブに感じられているのは、「食品ロス」「再生可能エネルギー」「地産地消」「ワークライフバランス」が50%程度で上位となった。

クロスマーケティング_SDGsグラフ_1

具体的なSDGs行動についてみていくと、“普段自分が行っている行動のうち、SDGsの活動と思うもの”は、「マイボトル・エコバッグを持ち歩く」23%、「食べ残しをしない、余り食材を活用する」20%、「電気をこまめに消す、使用時間を減らす」19%、「水道の蛇口をこまめに止める」18%、「レジ袋やプラスチック製品を使わない」16%、「海や川に行ったらごみは持ち帰る」16%、「油を流しに流さないで拭き取る」14%など。ほとんどが日常生活において少しの意識を持てば行える、取り組みやすいと思われる行動である。

一方、活動したいと思っているが、できていないのは、「寄付をする」13%、「太陽光発電などを導入または出資する」11%、「被爆地や被災地を訪問する」11%、「オーガニック食材を育てる・買う・食べる」11%、「困っている方、ハンデのある方を見かけたら声をかける」10%などで、ややハードルの高いものがあがった。

クロスメーケティング_SDGsグラフ_2

商品やサービスにSDGs関連商品とわかる表記が”ある”場合と”ない”場合の影響については、どちらを購入するか聞いたところ、「品質・機能も価格も同じなら」「品質・機能も価格も高いなら」SDGs関連商品を購入するとした割合がやや高い。“SDGs関連商品の表記”は、選定時の決定力としては、現時点ではまだ弱いようである。

なお、「SDGS」活動が進むことに対しての考えを聴取したところ、「目標を達成はできないと思うが状況は少し改善されると思う」が39%、「状況はかなり改善されると思う」が15%となり、前向きな意見がある。一方で、「過去の同様な取り組みのように、一過性のもので終わる」という回答も、42%で一定数あった。

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このことから、認知率は上がっているものの、SDGs活動は他人事(国、自治体、企業がするもの)ととらえられている傾向も伺える。いかに活動の選択肢を広げ、参加しやすいものにしていくかが、今後は必要と推察される。

同調査の内容の詳細は、クロス・マーケティングのホームページから会員登録(無料)すると閲覧できる。

クロス・マーケティング 「SDGs調査」

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