基調講演・セミナー
オンラインカンファレンス・セミナーは2月5日から13日までの計24本をライブ配信形式で提供し、生成AI、組織変革、印刷ビジネス戦略、現場改善など多様なテーマを網羅する構成となった。90分単位での実施により、業務の合間でも受講しやすい形式となり、企業規模や地域を問わず参加の幅が広がる。コロナ前に近い開催規模へ戻しつつ、オンラインの利点を取り入れたハイブリッド型の学びの場として進化した。
また2月 18日には、リアル会場で基調講演「AI時代の印刷ビジネス再考(完結編)」が行われ、印刷ビジネスと印刷メディアを巡る焦点について発表と議論を繰り広げる。
オンラインカンファレンス・セミナー
2月5日(木)
- 10:00〜11:30 【S1】印刷会社が知るべきWEBパートナー選定と発注のポイント
- 布施 貴規氏(株式会社BLY PROJECT)
- 印刷会社がWEB制作を外部発注する際の重要ポイントを解説する実践型セミナー。発注先の見極め方から契約・進行管理・トラブル防止まで、デジタル事業拡大に役立つ知識を具体例とともに学ぶ。
- 12:30〜14:00 【C1】印刷ビジネスの最新動向2026 ~産業・市場・経営・メディア視点で見る振り返りと展望
- 藤井 建人氏(JAGAT)
- 2025年の総括を踏まえて2026年を展望する。印刷の産業、市場、製品、経営、価格はどのように動くか。2026年の初セミナーなので、参加者には最新年度にアップデートした最新資料をデジタルで提供できる。BtoBの特性を踏まえた中小印刷業における価値創造、価格設定、サステナビリティまでの一連を考える。
- 14:30〜16:00【S2】AI時代のWebマーケティング ~買い手の思考回路の変化と対応方法
- 中山 陽平氏(株式会社ラウンドナップ)
- 令和時代の消費者は、情報量の爆発的増加や加工技術の民主化(誰もが簡単に画像や動画を編集できること)の結果、企業発信の「キレイな情報」をそのまま受け入れず、むしろ疑ってかかるようになった。その一方で、情報が多すぎるため「選びたくない、後悔しない選択肢を早く教えて欲しい」という心理も強まっている。こうした変化に加えAI検索の普及の影響と対策についても考える。
- 16:30〜18:00 【S3】2026年の“セキュリティ格付け”が始まる前に ~印刷会社がいまやるべき対策
- 横井 秀和氏(一般社団法人 日本個人情報安全協会)
- 経済産業省は2026年開始を目指しセキュリティ対策評価制度の準備を進めている。これは、企業のサイバーセキュリティ対策を5段階で評価し可視化することで、企業間の取引においてセキュリティ対策の透明性を高め、取引先のセキュリティ状況を把握しやすくすることを目的としている。 中小印刷会社にとっては、格付けの評価を受けることで取引先からの信頼を得ることができる一方で、具体的な手立てを講じなければ、それを理由に取引が打ち切りになるリスクも孕んでいる。いま印刷会社がやるべき対策について解説する。
2月6日(金)
- 10:00〜11:30 【S4】Figma入門~無料で使えるWebデザインの新定番ツール~
- 浅野 桜氏(株式会社タガス)
- Figmaはブラウザ上で共同編集できるWebデザインツール。Figmaの特徴や利点、注目される背景を解説し、実際の画面を使って基本操作やプロトタイプ作成の流れを分かりやすく紹介する。
- 12:30〜14:00 【C2】ソリューションビジネス転換への実践事例 〜印刷事業からブランディング支援事業への成長プロセス
- 一色俊慶氏、宮本和佳氏(株式会社大伸社コミュニケーションデザイン)
- 時代や顧客ニーズの変化を捉え印刷事業からソリューションビジネスへのアップデートを継続する株式会社大伸社と、マーケティングを起点としたコミュニケーションメディアのデザイン・企業ブランディングのコンサルティング領域で成長をづつける株式会社大伸社コミュニケーションデザインの変革プロセスの秘訣をお伝えいたします。
- 14:30〜16:00 【S5】「小さくても強い会社」を作る販売戦略 ~集客に成功している会社の意外な共通点
- 吉見 範一氏(日本営業ツール研究所)
- 時代遅れと批判されながらも着実に成果を上げ続ける「小さくても強い会社の販売戦略」。安定経営と継続的な売上向上を実現した企業の具体事例をもとに、その独自の戦略思想と実践手法を詳しく解説する。
- 16:30〜18:00 【S6】実践!動画制作ディレクション ~実例に学ぶお客様を納得させる仕事術
- 重徳 明彦氏(株式会社シネマチック)
- 印刷会社が紙媒体で長年培ってきたクリエイティブの地力は、動画制作と親和性が高い。動画制作のディレクション力を身につければ、たとえ自社で撮影、編集を行わずともクライアントから動画について相談されるパートナーとなれるだろう。同セミナーでは実例をもとにディレクションのポイント、企画書、絵コンテ、進行管理、そして見積書の作成例について、具体的なサンプルを示しながら解説する。
2月9日(月)
- 10:00〜11:30 【S7】知らないと損をする工場レイアウト標準設計アプローチ
- 添田 英敬氏(MEマネジメントサービス)
- 印刷工場の生産効率を高めるレイアウト改善の基礎を学ぶ講座。ムリ・ムダ・ムラの見える化から改善策の立案、設備投資の費用対効果や継続的な改善手法までを体系的に解説する。
- 12:30〜14:00 【C3】デジタル印刷ビジネスの鉄則 ~小ロット・多品種・超短納期・大量ジョブへの対応
- 高本 禎郎氏(株式会社TOWA)、兵藤 伊織氏(パラシュート株式会社)
- デジタル印刷の強みが活きるのは、小ロット、多品種、超短納期そして、大量ジョブの処理である。この転換は、印刷手段をオフセットからデジタルに切り替えるだけでは実現できず、ビジネスの組み立てから変える必要がある。 お客様との契約(SLA)重視、大量ジョブの集め方と受け取る仕組み、出荷(仕分け)から逆算した印刷計画、人の関与を減らす自動化などがポイントとなる。同セッションでは、これらのデジタル印刷ビジネスのポイントについて議論する。
- 14:30〜16:00 【S8】やりがいと理念のアピールで人を集める採用ブランディング 〜採用難の時代に待遇ではなく印刷会社の新たな魅力を明確にする人材戦略〜
- 小澤 歩氏(有限会社グレイズ)
- 人手不足で採用難の時代、給与など待遇以外で会社の魅力や働きがいをアピールできる『採用ブランディング』が注目されている。本セミナーでは、印刷会社の新たな魅力を見つけ、共感される採用アピールの構築方法や採用サイトに依存しない具体的な活動方法を解説する。
- 16:30〜18:00 【S9】不意のトラブルに備える!macOS & Windowsの作業環境構築・トラブル対策ガイド
- 尾花 暁氏
- 2025年11月、macOS版Adobe CCで障害が発生し、制作現場は原因調査と対応に追われる状況に。外部にシステム管理を委託していない環境では、トラブル対応が属人的となり、作業停止のリスクが高まる。本セミナーでは「トラブルが起きても作業が止まらない環境づくり」の実践的対策を解説する。
2月10日(火)
- 10:00〜11:30 【S10】口下手・あがり症でも売れる!サイレントセールスのすすめ ~お客様との信頼関係をつくる極意
- 渡瀬 謙氏(有限会社ピクトワークス)
- 話し上手でなくても成果を上げる「サイレントセールス」を学ぶ実践講座。信頼構築から本音の引き出し方、効果的な商品説明とクロージングまでを、お客様心理に沿った商談技術を具体事例で解説する。
- 12:30〜14:00 【C4】事業創造のローカルゼブラ戦略 ~価値共創ビジネスの理論と事例から導く成功のフレームワーク、そして手法
- 藤井 建人氏(JAGAT)
- 政府は中小企業にローカルゼブラ政策を提唱している。企業連携による課題解決で価値創出する手法だが、そのノウハウはまだテキスト化されたものがない。そこで全国各地の事例を用いて、キャッシュアウトを最小限にしながら地場産業と地域社会の活性化を通して自社も価値を享受する持続的なビジネスモデルの在り方を解説する。
- 14:30〜16:00 【S11】デザインの役割と基本セオリー ~プロとしてのデザイン要素や扱い、レイアウトを的確に解説
- 大里 浩二氏(帝塚山大学教授、株式会社THINKSNEO代表)
- 良いデザイン・レイアウトは、お客様の要求を把握し、視覚で伝えることであり、プロにはその能力が求められる。デザイン要素や扱い方、レイアウト技法など基本セオリーのポイントを分かりやすく解説する。
- 16:30〜18:00 【S12】深化するDM ~値上げ時代に選ばれるコミュニケーションとは
- 吉川 景博氏(フュージョン株式会社)
- 郵便料金の大幅な値上げは、DM通数の減少とターゲットの絞り込みや1通当たりのコスト削減など表向きにはマイナス面が大きいが、その裏でマーケティングの変化や顧客(受け取り手)の変化を受けて深化が進んでいる。紙ならではの顧客体験の提供は顧客ロイヤルティの醸成・向上に大きく寄与することができる。様々な事例からコミュニケーションの変化、深化、進化を読み解きDMの真価を考える。
2月12日(木)
- 10:00〜11:30 【S13】印刷会社の新規事業、テーマを引き出す営業手法とテーマ性評価
- 中村 大介氏(株式会社如水代表 / 弁理士)
- 儲からないゾンビ商品・ゾンビテーマに人も時間も奪われている状態から抜け出し、R&Dテーマの評価と営業・技術の行動変容を組み合わせ、高収益テーマを継続的に生み出すための実践ノウハウを解説する。
- 12:30〜14:00 【C5】Re:Connectが拓く挑戦と共創 ~見える化から始まる地方印刷会社の変革実践
- 飯尾 賢氏(株式会社岐阜文芸社)
- 「見える化」を起点とした組織変革により、再び人・情報・地域を つなぐ力(Re:Connect) を強化してきた。① 社内をつなぐ(透明性と共感の組織づくり)、② 地域・異業種とつなぐ(共創による価値探索)、③ 紙とデジタルをつなぐ(新サービス創造)の3つの視点から取り組みを紹介する。同セッションでは、成功の裏側にある試行錯誤や組織変革のリアルを共有し、印刷の「つなぐ力」を未来へ発展させる方向性を提示する。
- 14:30〜16:00 【S14】リスクを価値に変えるAI戦略 〜3年後に企業を救う「印刷データの真正性」
- 影山 史枝氏(株式会社スイッチ)
- 生成AIの普及は、デザインや制作のあり方を大きく変えている。印刷発注企業もAIツールを使いこなし、制作現場は効率と信頼の両立を迫られている。著作権やフェイク画像への不安から、AI活用をためらう企業も少なくないが、長年DTP・組版で「データの正しさ」を担保してきた印刷会社こそが担える新たな使命がある。同セミナーでは、AIや法制度の変化(EU AI Act、AI新法)を味方につけ、「データの安全管理代行」を構築するためのロードマップと今すぐ取るべき具体的な行動を示す。
- 16:30〜18:00 【S15】すぐに使えて成果も出せる!画像生成AIのビジネス活用法
- 内匠強志氏(株式会社Tak-Me)、越ケ谷泰行氏(一般社団法人DX World)
- 営業活動にクリエイティブのアイデアを盛り込むには、画像生成AIの活用が効果的です。既存顧客への提案から新規開拓まで、すぐに使えてあらゆる実務に直結し、生産性を向上させる手法を解説する。
2月13日(金)
- 10:00〜11:30 【S16】売れる営業はここが違う!いつもうまくいく営業の秘訣 ~成長し成果を出し続けるためのスキルをわかりやすく公開
- 戸谷 有里子氏(Sorriso)
- 「売れる営業」と「売れない営業」の違いを解説し、成功するための特徴を公開する。成長し続け、成果を出し続ける営業が実践しているアプローチなど、売上アップに直結するスキルをわかりやすくお伝えする。
- 12:30〜14:00 【C6】危機を乗り越える組織変革の進め方
- 鶴見 悠子氏(株式会社文方社)、大河 雅治氏(株式会社文方社)坂口 雄人氏(キヅキウム株式会社)
- 山積する課題、社内のムードも停滞気味。そのときリーダーはどうすべきか? 自ら戦略を立て変革の先頭に立ち社員を鼓舞するという中小企業のセオリーではなく、社員一人ひとりの話しを聞き、社員の気持ちに寄り添いながら対話をベースに改革を進めた文方社の事例を紹介する。遠回りのようで、社内改革と新事業開発を同時に手にしつつある。
- 14:30〜16:00 【S17】AI スキルを “学ぶ” から “使う” へ ~効率化から成⻑のエンジンにつなげるロードマップ
- 高橋 俊明氏(株式会社TOMUP)
- AIの進化により業務の在り方が大きく変わる中で、「AIを使うと何が良くなるのか?」「どこから始めれば良いのか?」という疑問を持つ印刷会社が多く存在する。同セミナーでは、印刷業に特化した“AI活用のはじめ方”と“成長の道筋”の両方を実務者目線で分かりやすく解説する。
- 16:30〜18:00 【S18】いまさら聞けないカラマネの基礎知識 ~RGB入稿も怖くない
- 庄司 正幸氏(JAGAT)
- カラーマネジメントの基本を改めて整理し、現代の色管理に欠かせない要点を解説する。 さらに、sRGB を超える広色域が求められる時代に必要な基礎知識を押さえ、 RGB 時代に対応した新しい印刷ワークフローの方向性についても掘り下げていく。
基調講演
2月 18日(水)
- 13:00〜14:30【基調】AI時代の印刷ビジネス再考(完結編)
- 参加費:無料
- 登壇者
- 網野 勝彦氏(株式会社研文社)
- 岡本 幸憲氏(株式会社グーフ)
- 本間 充氏(株式会社マーケティングサイエンスラボ)
- 郡司 秀明氏(公益社団法人日本印刷技術協会) モデレーター
JAGATでは「サステナブルな印刷ビジネス?」について追求してきた。サステナブルな印刷ビジネス実現には「印刷ビジネスの形態を変えない限り、継続は難しい?」という意見もあり、「被印刷体を紙から紙以外にシフトしなくては儲からない」という脱“紙”指向の意見もある。また印刷周辺までを含めたBPOビジネスが印刷ビジネスの根幹になろうとしている。AIが一般化した現在、印刷会社が筆頭になってAI化を実現できないと、BPOなんて絵空事になってしまう。印刷物が多品種・小ロット化するのは避けられないが、今までの設備でその変化に対応していくのは無理がある。「どのような設備や人材、システムが近未来の印刷ビジネスに必要なのか?」を議論したい。 一方、小ロット化していくということは、売り上げ減にもつながる。「ではどうやって売り上げを確保するのか?」という点において、この数年来続けている議論に結論を出したい。デジタル印刷や加飾ビジネスにも精通しているJAGAT網野会長、そしてデジタル印刷では多くの経験をお持ちのグーフの岡本代表取締役、マーケティング以外でAIにも造詣が深いMSLの本間所長を加え、モデレーター郡司氏の4人で議論し「完結編」としたい。