JAGDA 中村至男氏による平和ポスター「ヒロシマ・アピールズ 2023」完成、松井一實広島市長へ贈呈、全国販売開始

 公益社団法人日本グラフィックデザイン協会/JAGDAは、1983年より毎年、広島国際文化財団、ヒロシマ平和創造基金とともに、言葉を超えて“ヒロシマの心”を訴えるポスターを制作し、国内外に向けて平和を呼びかけるキャンペーン「ヒロシマ・アピールズ」を実施、JAGDAを代表するデザイナー1名がボランティアで制作している。

 今回JAGDAからJAGDA東京会員・中村至男(なかむら・のりお)氏による2023年版のポスターが完成。7月11日より広島市役所にて中村氏より松井一實広島市長へ贈呈、販売・展示が始まった。

 中村至男氏は今回の製作物に対して「先の戦争は、物心がついた時にはもう教科書の中の昔の出来事だった。ながく平和だと思いこみ育ってしまったが、歳を重ねるほど、この世界の危うさに自分の甘さを思い知る。震災、原発事故、疫病や戦争……想像を超えることが次々と起きる時代を生き、わかったつもりで世界を憂いても、核兵器使用?まさか、と心の底に一粒の傍観が残る自分に今一度問いたい。
 このポスターを制作しながら、手元のスマホに目をやると、まさに広島からG7サミットが生中継され、各国首脳陣が原爆資料館を出て記念碑へと向かっている。核兵器は人間の所業に他ならない。人が起こすことは人が止められるのだ。
 そんなことを想いながら1945年と地続きの”今”を表現した。この指は人間の弱さの象徴である。「人差し指」と名づけたこの一枚。2023年、広島からの訴えをつなぐ鎖のひとつになれたらと願っている」と述べている。

ヒロシマ・アピールズ2023「Index Finger」中村至男

<「ヒロシマ・アピールズ 2023」概要>

■展示
7月30日(日)~8月7日(月)
 「ヒロシマ平和ポスター展」にて、これまでの「ヒロシマ・アピールズ」ポスター全作品を展示(会場:合人社ウェンディひと・まちプラザ 北館4F ギャラリーA・B)

7月31日(月)~8月13日(日)
広島市内のバス停に、本ポスターのデザインを掲示

9月1日(金)〜10月19日(木)
「日本のグラフィックデザイン2023」展にて、本ポスターおよび第1回「ヒロシマ・アピールズ」ポスター(亀倉雄策/1983年)を展示(会場:東京ミッドタウン・デザインハブ)

■販売
・取扱場所
広島県:広島平和記念資料館(原爆資料館)、広島市平和記念公園レストハウス、広島市現代美術館
東京都:JAGDA事務局(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
JAGDAオンラインショップ:https://shop.jagda.or.jp/
・価格:1枚1,100円(税込)

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