大日本印刷 Amazon内「外濠書店」で海外書籍を国内オンデマンド製造販売 世界の書籍を国内で1冊から提供、注文から最短6日で届ける約450万タイトル対応サービス開始

大日本印刷株式会社(DNP)は、海外出版書籍のオンデマンド製造販売サービス「グローバルコネクト」を、Amazonマーケットプレイス内の店舗「外濠書店」で開始した。従来は海外から取り寄せる必要があった書籍を、国内で注文に応じて1冊から製造し、最短6日で生活者に届けることが可能になる。スタート時点で、世界97の国・地域の出版社から許諾を得た約450万タイトルを対象に、国内最大規模の洋書取り扱いを実現する。

「グローバルコネクト」提供の背景

海外書籍の注文では、輸入に数週間を要し、価格も高騰する場合がある。為替相場や空輸コストの影響を受けるほか、出版社が独自にEC出品する場合は出荷作業を自身で行う必要があるため、国内での流通は限定的となり、生活者が欲しい本を入手するのは容易でなかった。DNPは出版流通の課題解決に向け、デジタル印刷を活用した「つくり方」「届け方」の新設計に取り組み、幅広いジャンルの洋書を迅速かつ比較的安価に提供する。

デジタル印刷でコストと納期を削減

国内拠点でデジタル印刷によるオンデマンド製造を行い、発送まで一括で対応。1冊から注文生産できるため、多品種小ロットへの対応が可能となり、製造・流通の無駄を削減する。従来の海外輸送に比べてCO2排出量が少なく、環境負荷軽減にも寄与する。

約450万タイトル、出版社の負荷も軽減

同社は、米国最大手の取次会社・イングラムの子会社のライトニングソースが提供する「グローバルコネクトプログラム」の日本国内唯一のパートナー。これにより専門書やニッチなジャンルを含む約450万タイトルを提供できる。出版社は契約とコンテンツデータ提供のみで販売可能となり、出荷対応や独自販売網の構築が不要になる。

今後の展開と「外濠書店」の役割

DNPは2026年度中に、国内出版社が登録したコンテンツを各国・地域のパートナー企業がオンデマンド印刷で製造して届けるサービスを開始予定。国内出版社の収益拡大とグローバル市場での持続可能な出版ビジネス実現に寄与する。「外濠書店」はDNPの原点である東京・市谷の拠点に由来し、生活者の好奇心に応える本との出会いを提供する実験型書店として、リアルとオンライン両面で展開を進める。

Amazonマーケットプレイス内の「外濠書店」

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