【ペーパーサミットジャパン2026レポート】初の東京開催盛況に MARKETエリアでは参加各社が紙の魅力を発信
全日本印刷工業組合連合会(全印工連)と日本洋紙板紙卸商業組合は、7月24日~25日の2日間、東京都港区の東京都立産業貿易センター 浜松町館で「ペーパーサミットジャパン2026」を開催した。
印刷・紙・流通が手を結んだ“紙の総合祭典”。2日間で4,125人が来場した同イベントから、中核エリアである「MARKETエリア」の様子をレポートする。

各社のアイデア商品が集合! MARKETエリア会場レポート
MARKETエリアには全国から74団体・93社・105テーブルが集った。紙を用いた多くの商品が並び、来場者を楽しませていた。
株式会社国府印刷社のブースでは、日本文具大賞2026で優秀賞を受賞した「色変わるメモ帳」を販売していた。
色変わるメモ帳は、1冊のメモ帳に複数色のメモ用紙が綴じられているのが特徴。表紙を一部透明にすることで用紙の色が見えるようになっており、メモを使って紙をちぎるたびに“表紙の一部の色が変わる”というユニークな仕掛けが施されている。
表紙にはワンピースやクリームソーダ、花火などが描かれ、用紙の色の変化によって様々な印象が楽しめる商品となっていた。
なお、メモ用紙には印刷工程で発生する余剰紙(色上質紙)を再活用しているため、SDGsやCSR推進にもつながる。
株式会社九秀製本ドットコムは、福岡県に本社を構える製本会社。製本技術を活かしたノートのほか、親子向け商品として「おてつだいパズル」も販売していた。
おてつだいパズルは、パズルのピースとして使う紙とパズル台紙がセットになっている。まず、パズルのピースひとつひとつにおてつだいの内容や目標を記入。次に、ピースに記入したおてつだいや目標を達成できたら、ピースを切り取って台紙に貼っていく。すべてのピースを貼り終えると、食べ物のイラストが完成するというもの。
目に見える達成感が子どもの心をくすぐり、自ら進んでおてつだいするようにサポートするアイデア商品となっていた。
カードゲームを出展しているブースも多く見られた。デジタルゲームが大きく発展する一方で、紙ならではの魅力を持ったアナログゲームも進化を続けているのだと感じさせる。
株式会社田中紙工は、様々なオリジナルカードゲームを販売。特に参加者の注目を集めていたのが「モヤモヤ言語化カード-キャリア編-」だった。
これは「いまの仕事、このままでいい?」というキャリアの迷いを言語化し、次の一歩を踏み出すためのセルフコーチングカード。まず「いまの状態カード」を1枚引き、次に“いまの状態”の原因と思われる「モヤモヤの正体カード」を選ぶ。さらに「動き出しカード」を1枚選び、いまの自分にできそうな一歩を考える。最後に、カードの結果を受け、感じたことを書き留める。
「紙だからこそ、自分の考えを整理できる」という魅力を発信していた。
知多印刷株式会社は、干支を覚えることができるオリジナルカードゲーム「おぼえと」を販売していた。
おぼえとは「同じ色(マーク)または次の干支が描かれたカードを順番に出し合って遊ぶ」というもので、UNOに近いルールのカードゲームとなっている。
カード裏面には干支の順番が記載されているため、まだ干支を覚えていない小さな子どもでも楽しめる。大きな文字やよみがな、かわいらしいイラストなど、みんなで遊べる工夫が凝らされていた。
また、カードがラミネート加工が施されており、丈夫で長く使える仕様となっている。
また、パッケージや活字などの展示を行っているブースも賑わいを見せていた。
スピックバンスター株式会社の紙の加工品の展示エリアでは、ホワイトダミー(印刷の入っていない白い紙)による作品などが並んでいた。
とりわけ注目を集めていたのが、紙でつくった寿司の展示(写真中段)。魚を“加工”して寿司にする、という点に着目し、紙を“加工”してパッケージにすることを表現しているという。展示エリアの作品はすべて「印刷」を用いておらず、紙の色・素材を活かして表現していた。
ワークショップエリアではパッケージボックスの組み立て体験を実施していた。また、紙製のガチャガチャ筐体を使った抽選会も開催。筐体は正常に作動するまで何度も試作を重ねたそうで、会場でも存在感を放っていた。
各種印刷物やホームページのデザイン、ロゴデザイン・CIプランニング、空間デザイン、撮影・取材などを手がけるUMOは、「RE:TTER」の展示ならびに制作受け付けを行っていた。
RE:TTERは、名前の「活字」を贈るという商品。注文した活字が額に入った状態で届くようになっており、出産・結婚祝い、誕生日などで活用できる。
活字は写真や雑貨と一緒に飾ることができるほか、子どもが大人になり名刺を印刷するとき、実際にその活字を使って活版印刷を行うこともできる。
活字に想いを乗せて、未来へつなぐことができるプロジェクトとなっている。
情報交換の場としての機能にも期待
このほか、同時開催のMUDフェアや「紙わざ大賞」の入賞作品展示、ワークショップエリア、トークセッションなど、種々の企画が展開された。
24日には東京都の小池百合子都知事が駆け付け、「デジタル社会ど真ん中にある現代だが、手触りが良くぬくもりがあり、そして作る人・届ける人・使う人をつなげるという“紙の持つ力”は変わらない。この力は今後も必要なものだと思っている」と紙の価値を語った。また「印刷業は東京の活性化に貢献する重要な地場産業。紙にまつわる様々な仕事をしている人たちが一堂に会するこのイベントは、情報や気づきを発信・受信するよい機会になる」として、ペーパーサミットの成功を祈念しつつ挨拶を述べた。
同イベントはこれまで「ペーパーサミット」として大阪で開催されていたもので、東京での開催は今回が初。さらに初日24日は平日であったにも関わらず多くの人が来場しており、“紙好き”の圧倒的な熱量と愛を感じさせるイベントとなった。
この記事をシェアする






