富士フイルムBI AI機能を搭載した統合型保守支援プラットフォームを開発 AIで部品準備・手順提示を支援して保守プロセス全体を効率化

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(富士フイルムBI)は、保守プロセス全体の効率化を実現するためにAI機能を搭載した統合型保守支援プラットフォームを開発し、2026年7月より、日本、アジアパシフィック地域、および欧米地域で順次運用を開始する。

統合型保守支援プラットフォームの全体像

蓄積したデータを統合・一元管理できる環境づくりを支援

複合機・プリンターの保守現場では近年、機器本体に関する技術知識に加え、高度なセンシング技術等により取得される多様な情報を活用し、より品質の高いサービスを提供していくことが求められている。その中で、保守作業での適切な判断・対応には、経験やノウハウが必要な場面も多く、熟練CEの知見を効果的に共有・継承していく重要性が高まっている。さらに、グローバルで代理店を通じた保守サービスの提供が拡大する中、CE個人のスキルや経験に依存しない、均質的なサービスの提供が重要となっている。

こうした状況に対応するため、富士フイルムBIは今回、サービスマニュアル、機械情報、診断ツール、保守実績データなど、これまで蓄積してきた保守情報をクラウド上で統合し、カストマーエンジニア(CE)が必要な情報へ迅速かつ効率的にアクセスできるプラットフォームを開発した。従来はこれらの保守情報がそれぞれの用途に応じたシステムで管理・活用されていたが、新たに開発したプラットフォームでは、CEが複数のシステムを横断して情報を探すことなく、必要な情報を一元的に参照・活用できる環境を実現する。
さらに、保守業務を支援するAI機能を搭載することで、訪問前の準備から現場作業までの保守プロセスを一貫して効率化し、ユーザーが利用中の複合機やプリンターのダウンタイム低減に貢献する。

先行してトライアルを実施した香港とオーストラリアでは、部品準備の精度向上や作業時間の短縮といった効果が得られたとしている。

2つのAI機能搭載で保守業務を効率化

同プラットフォームには「AI Spare Parts Recommender」と「AI Service Manual」の2つのAI機能が搭載されている。

「AI Spare Parts Recommender」は、訪問前に活用する機能。CEが、ユーザーからの修理要請の入電内容をもとに「AI Spare Parts Recommender」へトラブル内容を入力すると、AIがこれまでの保守実績データを参照し、訪問先へ持参すべき部品候補を提示する。
この機能により、従来は経験に基づいて行っていた部品準備をデータに基づく判断へ高度化し、持参部品の選定精度を向上させることで、初回訪問での障害解決率の向上につなげる。

機器のトラブル内容をプラットフォーム上の「AI Spare Parts Recommender」に入力。AIがこれまでの保守実績データをもとに、持参すべき部品候補を提示

「AI Service Manual」は、訪問先の保守現場で活用する機能。CEが「AI Service Manual」へトラブル内容や機器の状態を入力すると、AIがサービスマニュアル情報をもとに原因を切り分け、対応手順を提示する。
従来は膨大なサービスマニュアルを参照しながら判断していた作業を、AIがインタラクティブに提示してくれることにより、原因特定から修理完了までの時間短縮を図るとともに、対応判断の標準化やサービス品質の向上につなげる。

機器の異常・状況をプラットフォーム上の「AI Service Manual」のチャットに入力。AIがサービスマニュアル情報をもとに原因を切り分け、対応手順を提示

グローバルで利用可能なクラウド運用で初回訪問の完了率向上に寄与

同社の海外拠点(香港・オーストラリア)で実施した実証実験では、「AI Spare Parts Recommender」による部品推奨の正答率が約8割、「AI Service Manual」による作業手順提示の正答率は約9割となった。加えて同社は、保守現場で、障害の原因特定にかかる時間が半分以下に短縮されたという成果を確認している。
これらの結果から、修理の迅速化や、部品準備不足による再訪問の削減が見込まれている。

統合型保守支援プラットフォームはクラウド上で運用されるため、グローバルで富士フイルムBIの複合機・プリンターの保守に携わる全CEが利用できる。同社は今後、プラットフォームのAIを継続的に高度化・拡張することで、グローバルのCEによる高品質な保守サービスの運用を実現し、ユーザーの機器の安定稼働と業務継続性の向上に貢献していくとしている。

CE に対し、「どの部品を持参すべきか」「現場でどの手順を踏むべきか」をAI が提案することで、初回訪問での修理完了率の向上、作業時間の短縮、判断の標準化を実現

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