奥村印刷 紙と印刷の技術で防災を支える「折り紙食器 beak」 環境配慮・省スペース・長期保存OK
奥村印刷株式会社は、紙と印刷の技術を応用し、環境に優しく、省スペースで廉価な防災用紙食器を提供している。糊や接着剤を使わない組立式の折り紙食器『紙製食器 beak(ビーク)』は、災害時の食事提供における新たな選択肢として注目を集めている。
糊も留め具も不要の紙製食器
食料や水の備蓄は進んでいる一方で、非常食を提供するための食器については十分な開発が行われてこなかった。奥村印刷はその課題に着目し、「A4サイズの紙で実用的な食器を作る」というテーマのもと試行錯誤を重ね、実用化に成功した。
『beak』は、シートに切れ込みと筋押し加工を施すことで、糊や接着剤、留め具を一切使わずに組み立てられる強固な紙容器。厚さ0.42mmのA4判で、環境に配慮した耐水・耐油・耐熱用紙を採用している。未使用時はシート状でかさばらず、100人分でも厚さ4.5cmに収まるため、大量備蓄や搬送にも優れている。
さらに、土に埋めると約2年で自然に還るなど、環境負荷の低減にもつながる。湿気に気をつければ長期保存も可能で、災害備蓄用品としての実用性が高い。
「beakx」──箱から皿へと変わる革新
さらに同社は、特許取得済み技術を応用した新製品「beakx(ビークエックス)」を開発。従来のパッケージに“箱から皿になる”という機能を加えたもので、紙の反発力を利用した独自のロック機構により、糊やハサミを使わず誰でも簡単に組み立てられる。災害時の備蓄食と組み合わせることで「食品+皿」として機能し、水資源の節約にも貢献する。また、製造工程では再生可能エネルギー100%の電力を使用するなど、SDGsを意識したものづくりを進めている。
- 企業情報
- 奥村印刷株式会社
東京都北区栄町1番1号
https://www.okum.net

