富士ゼロックス 商業印刷向けの高速ロール紙カラーインクジェットプリンター

発表する富士ゼロックス常務執行役員の高木純氏(左)、執行役員の麻生修司氏
発表する富士ゼロックス常務執行役員の高木純氏(左)、執行役員の麻生修司氏

富士ゼロックスは商業印刷向け高速ロール紙カラーインクジェットプリンター『11000  Inkjet Press』を新開発し、2019年2月15日、国内で発売する。

高速ロール紙カラーインクジェットプリンターは主に請求・明細書印刷、通知書印刷などの分野で活用されている。新製品は高画質と最速毎分80m(A4カット紙換算で毎分1,048ページ相当)の高生産性を両立したことで、パンフレットやダイレクトメール、流通系の商品カタログ、雑誌・書籍など商業印刷分野にもその領域を広げることが可能になる。

インクジェットヘッドは富士フイルムの『SAMBA』ヘッドをもとに、さらに高速ロール紙印刷へ適応させるために最適化。ヘッドのノズル付近のインクを絶えず循環させ、乾燥が速い高機能インクでもノズル詰まりを防ぎ、常に最適な吐出状態を維持、長時間の連続出力でも安定した高画質が得られる。

インクは富士フイルムの枚葉型インクジェットデジタルプレス『Jet Press』シリーズで培われた知見をもとに、SAMBAヘッドの正確な打滴能力を最大限に引き出す水性顔料インクを新たに開発。定着剤を含有させた新インクにより、高速・高品質な描画がプレコートなしで可能にした。これにより通常のオフセットコート用紙を使用することができる。

書き込み解像度は1,200dpi×1,200dpi。グリーン、オレンジ、バイオレットの色領域で一般的な印刷色域を上回っている。また、内蔵センサーによりノズルの吐出不良を検出し、印字抜けスジや印字濃度ムラを補正するほか、従来の水性インクジェットの大きな課題であった印字後の用紙シワ(波うち)への対応として、赤外光とヒートドラムによる独自の乾燥機構により、高速に印刷しながら商業印刷に相応しい印刷品質を提供する。

販売目標は3年間で20台。

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