大阪・HS管財(旧:鳳清印刷) 特別清算開始命令受ける(新型コロナウイルス関連倒産)

大阪府門真市のHS管財株式会社(旧:鳳清印刷㈱)は、1月6日、大阪地裁より特別清算開始命令を受けた。負債は2021年3月期末時点で約9億9900万円。

同社は、1956年に設立。家電製品や住宅設備機器、自動車などの取扱説明書、技術資料などの商業印刷業務を行うほか、原稿制作も手がけていた。原稿作成から完成品のパッケージまで一貫して請け負える体制を強みにしていたが、主力得意先における生産の海外シフトが進み、ペーパーレス化等などで売り上げが漸減した他、価格競争も厳しく、コストアップなどの影響もあって収益は低調に推移していた。また海外子会社の設立、設備投資等の借入金の返済負担も重荷となり資金繰りが悪化。2014年3月に金融機関に対してリスケを要請し、中小企業再生支援協議会(現:中小企業活性化協議会)の支援の下で再建を図っていたが厳しい状況が続いていた。
2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響による得意先各社の生産調整を受けて受注が落ち込み、売上高が減少。先行きの見通しが立たないことから、第2会社方式による再建を目指して別途設立した新会社へ全事業に関する権利義務を承継し、2022年3月に鳳清印刷株式会社より、現商号へ変更。同年8月31日付け株主総会の決議により解散していた。

なお、清算したのは旧事業会社。事業は新設した鳳清印刷株式会社が承継しており、現在も営業を継続している。

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