大日本印刷 図書館流通センターと共同で「ライトアニメ」を活用、映像化した学習マンガや絵本を電子図書館向けに販売開始

 大日本印刷株式会社(DNP)とグループ会社の株式会社図書館流通センター(TRC)は共同で、従来のアニメーション制作手法と比較して大幅に「早く」「安価に」制作できる「ライトアニメ」を活用して学習マンガなどを映像化し、自治体や学校の電子図書館向けコンテンツとしての提供を始め、第一弾として6月27日より、株式会社朝日新聞出版の「週刊マンガ日本史 改訂版」シリーズの6タイトルの提供を開始した。

 「ライトアニメ」は、アニメーション用の原稿を描き起こす従来の制作手法に対し、マンガの原稿をそのまま活用し、着彩(色付け)や分割処理、アクション(動作)の付加などを行って動画コンテンツにするもの。制作の期間とコストを従来のアニメ制作手法と比較して大幅に抑えることができる。

 今回の「ライトアニメ」では、学習マンガの特性を考慮して、セリフや説明については完全に音声化せず、文字を素材として活かした形で制作する。映像化により、「隙間時間を活用するなど気軽に学べる」「視覚と聴覚を使うことで内容の理解や記憶の定着がしやすい」「飽きずに楽しく学べる」といった、学習における新たな価値を提供する。

「映像版 マンガ日本史 聖徳太子」
「映像版 マンガ日本史 津田梅子」

 コロナ禍をきっかけの一つとしたオンラインサービスの拡大、「GIGAスクール構想」に基づく学習過程でのタブレット端末利用の拡大、「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の支給などにともない、自治体や教育機関では、電子図書館サービスやデジタルコンテンツの需要が高まっている。TRCが提供する電子図書館の導入自治体は、2018年3月末時点の60件から、2023年5月末時点の330件へ、約5年で約5.5倍に増加したが、一方で、電子図書館向けコンテンツは従来、文字中心のコンテンツに適した「EPUB」という電子書籍形式が主流であり、映像コンテンツの供給が十分でないという課題があった。

 このような課題に対してDNPは、従来のアニメーション制作と比較して大幅に「早く」「安価に」制作できる「ライトアニメ」を活用して、コンテンツホルダーから使用許可を受けた学習マンガや絵本などを映像化する。また、TRCが提供する電子図書館サービス「LibrariE&TRC-DL」を通じて、自治体(2023年5月末時点で330自治体)や学校に販売をしていく。

 DNPとTRCは、出版社をはじめとしたコンテンツホルダーとの連携を強化し、学習マンガのほか、絵本やビジネスマンガなどにもジャンルを拡げて、学びにつながる動画コンテンツの拡大を図る。

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