【富塚製本】製本のNo.1サイト「オリジナル便箋工房」 「一筆箋・便箋」「コミケ同人向け」「代理店向け」市場開拓

天糊製本・加工を得意とする富塚製本株式会社は、2014年(平成26年)2月に便箋・一筆箋に特化した通販サイト「オリジナル便箋工房」を開設した。富塚宗寛社長は「長年培った天糊製本・加工技術を生かし、表紙を自動給紙する全自動便箋巻機で自動化したオリジナルの一筆箋・便箋を多くの人に使っていただきたい」という思いで始めた。開設から11年を経て「オリジナル便箋工房」は実績累計500万冊を突破した。最近は「コミケ・同人向けオリジナル便箋」の受注が増え、新たな発展期に入った。

富塚製本は、昭和32年(1957年)、製本会社として創業以来、紙製品の加工・製本を中心にオリジナル便箋、伝票、メモ帳、パンフレット、同人誌等の製本まで、一貫して「製本」というモノづくりにこだわってきた。

富塚社長は「オリジナル便箋工房は製本加工技術を生かした提案型の営業をしたいというのがきっかけです。伝票や事務用便箋は閑散期があります。その対策としてオリジナル便箋のネット受注を始めたのが11年前です。こだわったのが“オリジナル”と“工房”という名称でした。モノづくりの工房、そしてオリジナルの良さを追求するというのが便箋工房のコンセプトでした。以前から小ロットでオリジナル便箋に対する要望が寄せられていましたが、現在では北海道から九州まで全国から受注が寄せられています。発注者の8割以上は首都圏・関東圏です。個人の方が最も多く、次いで印刷会社やデザイン・企画会社で、従来とは異なる新しいお客様と繋がるきっかけになっています。正直なところ、このような市場があるとは思いませんでした。特に一筆箋は、手書きでメッセージを伝えたいというお客様や企業の方々が多いのは意外でした」と語っている。

入稿データは発注者である顧客が制作して入稿する。「オリジナルの便箋を作りたい」「オリジナルの一筆箋を配りたい」といったニーズがあることを改めて知ったという。ちなみにデータを作れない顧客先については、手書きのイメージなどを元にデザインデータを作成するなどのきめ細やかな対応を行っている。

富塚宗寛社長(左)と富塚康憲常務取締役
オリジナル便箋工房一筆箋の製品見本

 「オリジナル便箋工房」は、閑散期への対策にとどまらず、新しい市場開拓の武器となった。「製本会社の仕事は、年度末と夏場などで仕事が偏る傾向があります。忙しい時のためのスタッフを確保しておくためにも、閑散期に一定の仕事を確保することが必要です。通販サイトを運営することで年間を通じて便箋の仕事が受注できるようになりました」と現状を語っている。

表紙自動給紙機
勝田断裁機と天糊製本

「オリジナル便箋工房」は、現在、A4判/B5判/A5判/B6判/一筆箋の5種類と、完全オリジナルの6つのパターンで制作を受注している。Webサイトからは、サイズを選んだ後に紙の素材、印刷方法(1色/2色/フルカラー)、表紙加工、オプションなどを選んで見積もりを依頼する。サイト上には参考価格も掲載され、初めての人でも発注しやすいようになっている。

顧客とデータを確認後の印刷は、部数によってオフセット印刷とPODを使い分け、事前に仕上がり品質をユーザーに伝えることでミスマッチを防いでいる。またPODを活用することで「10部から」という極小ロットのオリジナル便箋づくりを実現した。

選べる素材は和紙風の用紙までラインアップ。純和風のものから、デザイン性の高いオリジナルなものまで制作が可能となっている。またすぐにオリジナルの便箋が欲しいというニーズに対しては、「名入れ便箋」を勧めている。サイズはA4、B5、一筆箋は3種類を用意。サイズと罫線の種類、罫線の色、名入れの位置、名入れ書体と表紙デザインを選ぶだけで発注できる。

オリジナル便箋工房の一筆箋は多彩なデザインが可能
B5判のオリジナル便箋

同社は同人グッズ向けの市場を強化している。同人グッズ製作や個人が手軽に利用できるよう最小ロット10冊から受注。中面のデザインを3柄までの製作を可能としており、より凝ったデザインの同人グッズは便箋1冊につき3柄まで違ったデザインの中面が可能となる。また中面のデザインは3柄までの製作が可能で、より凝ったデザインの同人グッズの制作に対して便箋1冊につき3柄まで違ったデザインの中面が可能となる。1冊30枚(3柄×10枚)により1柄だけにしてコストを抑えることもできる。

オプションで便箋の包装・梱包を選ぶことができ、同人イベントなどで販売する際は、グッズの中身だけでなくラッピングも重要で、1冊ずつOPP袋に入れて配布するだけでも、印象が良くなる。

オリジナル便箋からグッズ製作という市場にも対応。表紙も中面もデザインはオリジナリティーの高い同人作品に仕上がり、同人グッズのアイテムとなる。

今後の展開について富塚社長は「便箋のニーズは年中あるものではありません。しかし、当社のお客様はリピートがほとんどです。多くの方々はオリジナル便箋を営業ツールに配りたい、記念品で手渡したいというニーズがあることがわかりました。オリジナルの便箋は、私たちのお客様の印刷会社が諦めていた多品種・小ロットの市場を掘り起こすことが可能だと思います。様々なニーズに対応するためには印刷会社やデザイナーのコミュニケーションにより効率的な制作を行い、市場開拓をしていきたいと思っています」と今後の方向を述べている。

 【会社情報】
 富塚製本株式会社
 本社:大阪市生野区巽中3-5-5
 電話:06-6754-5525
 HP:http://tomitsuka-binsen.com/

関連記事

最新記事