【ウチダテクノ】印刷加工で“人のワクワクを伝える”~オンデマンドで拡がる製品の多様性
株式会社ウチダテクノは、印刷加工によって「人のワクワクを伝える」ことを掲げ、ものづくりの可能性を広げてきた企業。オンデマンド対応や多様な素材提案など、変化する市場のニーズに応えながら、印刷の価値を再定義している。今回は、同社から寄せられた記事を紹介する。
印刷は、情報を多くの人に伝えるための技術として進歩を遂げてきました。その進化は、紙という媒体を用いた大量生産を可能にし、人々がそこに書かれた情報を共有し、利用することを容易にしました。誰もが手に取れる分かりやすいメディアとして印刷は共通のフォーマットを安価に提供し世界の利便性を高めてきたのです。しかし、この大量生産のビジネス構造は、往々にして市場を大手企業が独占する状況を生み出してきました。
印刷技術の革新と多様性
印刷技術はオンデマンドプリントという新たな潮流を生み出しました。このオンデマンド技術は、多様性への対応を可能にし「多くの同じモノ」から「多くの違うモノ」へと、多品種化やパーソナライズを促進しています。かつて印刷の大きな特徴であった「同じものを作り、同調させて使わせる」ビジネス構造はインターネットと情報端末の革新によって社会の情報化が進むにつれて変容しました。現代社会では人々は自分が欲しているモノの姿や必要とする量を製造者に直接主張できるようになったのです。これにより、印刷は単に文字や画像を複製して伝達する手段から個々のニーズに応える情報提供さらには多様な人々の働き方や文化を伝える多様性を持った価値創造メディアへと進化を遂げました。
印刷加工のひろがり
印刷加工は事務用印刷、書籍印刷、商業印刷など、様々な分野で独自の発展を遂げてきました。ウチダテクノも事務用印刷製本機の製造からその歴史をスタートさせ、マーブル貼機や紙枚数計数機は事務用伝票加工を行う製本業者の方々に広く導入されました。
しかし、社会の情報化の進展に伴い企業における紙媒体の印刷物の使用は減少傾向にあります。企業にとって印刷物は営業販促費の一部であり、その使用量を減らすことで経費削減を図れるためです。同様に商業印刷分野のチラシやパンフレット印刷においてもクライアントからは必要部数のみの印刷による在庫削減と効率化が求められています。
一方で、多様な印刷加工が施された印刷物は増加の一途をたどっています。人の関心に合わせた印刷加工技術は今や文化表現の一つとして位置付けられ、新しい素材などと組み合わさることでその表現の幅を広げています。インターネットの普及は、このような文化表現の促進に大きく貢献し職場での使用を通じて企業価値としての多様性も高めています。
日本文化「推し活」と印刷加工
「推し活」は、かつての「マニアの人々の世界」から、誰もが「自分の好きな事を推す」という自発的な行動へと変化しました。SNSの情報拡散力により世界中から日本のコンテンツを求めて来日するインバウンド観光客も増加しています。
缶バッジやトレーディングカードなど、多くの印刷加工品が「推し活」グッズとして販売されており、これらはオンデマンドプリントとの親和性が高く多品種展開が可能です。多くの業者が日本のコンテンツを活用した商品製造に積極的に取り組んでいます。推し活は、好きなモノを「観る」だけでなく、そこで表現されているモノを「買う」、そして「勧める」という行動を伴います。これらは印刷加工と非常に深い関係にあります。ウチダテクノのダイカッターAeroDieCutやフォイル&ラミネーターDCシリーズなどがこの分野で多く採用されているのはそのためです。生み出された商品は価格のついた商品として市場に出回り、製造業者の方々もその価値を実感して喜びを感じることができます。
加工素材の提案による価値創造
印刷加工は、長年培われてきた職人の技術によって様々な加工方法が継承されてきました。印刷物は人が手に取り、触れて感じるメディアです。職人たちは人が手にした際に使いやすいと感じることを常に考えながら作業を行っています。
印刷は文字や絵で構成され、人間の視覚に訴えるメディアです。印刷加工はそこに、折り曲げたり、切ったり、貼ったりすることで形の触感を加えます。材料となる素材は紙が主流ですがフィルムや合成紙なども活用されています。
印刷加工品が使用されている業種は多岐にわたります。これまで印刷業界は同じものを提供することで生産コストを抑えてきましたが、オンデマンドプリントの登場により「同じモノをたくさん作る」というビジネスモデルから、「仕事に合わせたモノを必要な時に作る」という考え方に変化しています。形状は同じでも時期によってデザインの切り替えが頻繁に行われ、使用される素材も紙に限らず、フィルムなど業種や職種に応じて提案を変えるケースが多く見られます。
日本のサービス業の中にも、多くの業種が存在します。例えば名刺を例にとると、お花屋さんには和紙の素材で花の種が漉き込まれている「紙から花が咲くシードペーパー」、魚屋さんには水を使うイメージから耐水性のある「合成紙のユポ」といった素材を提案できます。このように素材の提案まで行うことで、これまで印刷物を活用してこなかった業種の方々も「作ってみようか」という気持ちに変わり、素材で感じる良さから名刺の使い方を体験できるでしょう。
印刷加工が伝えるワクワク
印刷の価値を伝えることは、すなわち印刷加工でワクワクを感じていただけるかということに尽きます。印刷は2次元の表現メディアですが印刷加工はそこに多様性を加えます。素材を変えることで人の触覚を刺激し、香りを付加することで嗅覚を鋭敏にすることも可能です。形状を組み合わせることで音を出すことさえできます。印刷加工は、人が長く慣れ親しみ、手に取れる、分かりやすいモノを作る仕事なのです。
さらに、組み立て形状にすることで組み立て前と組み立て後で用途を変えることも可能です。組み立てることで立体化し、他の商品と組み合わせて使用されるケースも見られます。印刷加工は、人々にワクワクという価値を生み出させる、非常に楽しく、創造的なビジネスなのです。
【会社情報】
株式会社ウチダテクノ
本社:東京都中央区新川1-10-14 FORECAST茅場町2F
電話:03-5657-4070
HP:https://utecs.co.jp/