山中紙工所 紙製小判抜袋「プラストッテ」本格製造開始で脱プラ社会実現に貢献 原油価格高騰のリスクヘッジにも

有限会社山中紙工所は2026年4月、ビニール製小判抜袋(アームバッグ)の代替となる環境配慮型の紙製小判抜袋「プラストッテ」の本格展開を開始し、6月に初の製品出荷を迎えた。独自の生産体制の確立により、これまで紙製小判抜袋で課題とされていた「強度確保と低コスト化の両立」、さらに「小ロット対応」を実現する。プラスチック製アームバッグからの切り替えに際して代替パッケージのコスト高に悩んでいた企業のニーズに応え、持続可能な社会の実現に貢献する。

原油価格高騰や資材供給制約を「紙」製への移行でリスクヘッジ

2022年4月の「プラスチック資源循環促進法」施行以来、企業にはESG経営やサプライチェーン全体の脱炭素化がこれまで以上に強く求められ、社会全体で環境負荷低減への取り組みが本格化している。
一方、従来のプラスチック資材は、その原料である原油の価格や供給が国際的な政治情勢によって大きく左右されるという経営上の不安定さも抱えている。そのため、供給や価格が比較的安定しており、かつ持続可能な包装資材である「紙」への移行は、SDGsへの対応を検討する企業にとって経営上のリスクヘッジという意味合いでも急務となっている。

持ち手部分をくり抜いた「小判抜袋」を紙で製造する場合、手作業(内職)でボール紙などの補強加工を施すのが一般的となっているが、同社ではロール紙から一貫生産できる独自の製造ラインを確立。コスト競争力と実用性を兼ね備えた紙製小判抜袋「プラストッテ」を開発した。

「プラストッテ」3つの特徴

◆ ワンパス製造による圧倒的な低コスト化
プラストッテは専用の製造設備を使い、ロール紙からの印刷・製袋・小判抜きの工程を1台の機械で完結(ワンパス)させる。これにより製造コストを大幅に抑え、従来のビニール製小判抜袋に近い価格帯で提供できる。

◆ 独自の自動加工による高い強度と利便性
持ち手(小判抜き)部分の内側に補強紙を自動で貼り付ける仕様(輪転機)や、切り込みを入れて折り返す手法(枚葉機)を確立。紙製でありながら破れにくい高い耐久性と安全性を実現した。

◆「既製品+後印刷」による小ロット・カスタマイズ対応
需要の高いサイズ等を自社で在庫化している無地製品に後から印刷を施す(刷り込み)独自の手法により、小ロットからのオリジナルデザイン・オーダーメイドにも柔軟に対応する。

補強紙・小判抜。印刷・製袋・補強紙貼付・小判抜の工程をワンパスで作成
マチ付も可能。サイドガゼットも可能(底は平底)
既製品+後印刷

FSC®森林認証にも対応 SDGs目標達成を後押し

プラストッテは、同社が取得しているFSC®森林認証(責任ある森林管理に基づいた木材から生産された用紙)を用いた製造にも対応する。持続可能なサイクルでの製品提供を通じて、導入企業のSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」等の達成に向けた取り組みを後押しする。

同社は今後、展示会・イベント需要に向けた製品ラインナップの拡充を図るとともに、同社が運営する封筒・紙袋の印刷通販サイト「ポチフクロウ」での販売を強化するとしている。

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