全印工連 伝えるためのユニバーサルデザインフェア開催、展示やワークショップを通してMUDを学ぶ

 全日本印刷工業組合連合会(全印工連)とメディア・ユニバーサル・デザイン協会(MUD協会)は、2023年8月18日から20日までの3日間、東京都港区の東京都立産業貿易センターで「伝えるためのユニバーサルデザインフェア ~色·文字·かたちでみんなに分かりやすく~」(MUDフェア)を開催した。

 MUDフェアは全ての人々が理解しやすいよう設計された色、文字、かたちなどのメディア・ユニバーサルデザイン(MUD)を紹介するイベント。

開催期間は8月18日~8月20日

 会場では「MUDを知る」「学びのMUD」「命を守るMUD」「くらしの中のMUD」「UD関連団体」「ワークショップ」の6つのゾーンに分けて展示された。来場者はMUDを活用した製品に触れ、ワークショップでMUDの手法を体験し、知見を深めていた。 

 「MUDを知る」コーナーでは、MUDが考案されるに至った経緯を解説した。色覚障がい者や高齢者が抱える色・文字の認識についての課題も紹介し、MUDの意義を伝えた。

 「学びのMUD」「命を守るMUD」コーナーでは、理解しやすい色・フォントの学習教材や、誰にでも扱いやすい防災グッズなど、教育や医療、防災の現場でのMUD活用事例が紹介された。

 「くらしの中のMUD」では、MUDの手法を実際に利用した製品が紹介された。来場者はMUD認証を受けたショールームや、折り目がわかりやすい折り紙、誰にでも理解しやすい地図・チラシなど様々な製品に触れることができた。

 「UD関連団体」コーナーでは全印工連が主催する「メディア・ユニバーサルコンペティション」の、第1回から16回までの受賞作品をパネルで展示した。

 「ワークショップコーナー」では点字を使った名刺や、色覚障がい者に配慮したデザインの製作体験が企画され、大人から子供までMUDについて学べる場を提供した。

 展示に加えて特別セミナーも開催し、初日はNPO法人FDA事務局長の成澤俊輔氏による基調講演が開催された。自身も視覚障がい者である成澤氏が、今、社会に求められているMUD、SDGsの考え方を、自身の体験を交えながら講演した。

 2021年5月に障害者差別解消法が改正され、民間事業者の努力義務とされていた障害者への合理的配慮が法的義務となった。そのような状況で、MUDへの関心が高まっており、会場にはMUDについて知見を深めようとする来場者が多く集まっていた。


【開催要項】
▽開催日:2023年8月18日(金)・19日(土)10:00~17:00、20日(日)10:00~16:00
▽会場:東京都立産業貿易センター浜松町館(東京都港区海岸1-7-1 東京ポートシティ竹芝)
▽入場料:無料
▽セミナー事前応募フォーム:https://mudfair2023.peatix.com/

パネル展示に集まる来場者
色覚障がい者の色の認識を解説するパネル展示
MUDに配慮した学習教材
災害現場で使われるMUD
「メディア・ユニバーサルコンペティション」受賞作品
くらしの中のMUD
ワークショップコーナー

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