富士フイルムHD 中期経営計画VISON2023発表、2023年度に営業利益2,600億円へ

中期経営計画を発表する助野健児代表取締役社長・COO
中期経営計画を発表する助野健児代表取締役社長・COO

富士フイルムホールディングスは4月15日、2023年度までに売上高2兆7,000億円、営業利益2,600億円の達成を目標とする中期経営計画「VISION2023」を発表した。「環境」、「健康」、「生活」、「働き方」の4つの重点分野を定めて、事業を通じて気候変動への対応、医療格差是正、人生の豊かさや平和な暮らし、働き甲斐が得られる社会の変革などの社会課題の解決を目指す。

3年間の投資総額は1兆2,000億円。このうち1兆円を、成長分野であるメディカルシステム、バイオCDMO、ライフライセンス、ディスプレイ材料、グラフィックコミュニケーション(デジタルプリンティング、インクジェット)、ビジネスソリューションに集中的に投資する。原資は収益性の高い既存事業のさらなる効率化などから充てる。

事業セグメントは「ヘルスケア」、「マテリアルズ」、「ビジネスイノベーション」、「イメージング」に再編。「ヘルスケア」は売上高、営業利益ともに最大のセグメントに成長させる。「マテリアルズ」にはグラフィックコミュニケーション事業が含まれる。7月1日に設立が予定されるグラフィックコミュニケーション事業部では商業印刷・パッケージ印刷を中心に、広範な顧客基盤を持つグラフィック事業と、デジタル印刷技術に強みを持つプロダクション事業の販売力、技術・製品力を組み合わせ、アナログからデジタルまでのワンストップソリューションを展開。デジタルプリンティングの分野では統合シナジーによる海外事業の確立、富士フイルムの販売チャネルを徹底活用した販売領域の拡大を推進する。アナログプリンティングの分野ではオフセット印刷用の刷版から環境対応無処理版への切り換えを促進。インクジェット事業では商業印刷、パッケージに対し、高精度・高生産性インクジェットプリンター用ヘッド、食品安全対応の水性顔料インクなどの開発・導入・拡充を図る。

「マテリアルズ」の売上目標は2023年度に7,200億円。このうちグラフィックコミュニケーション事業は3,400億円から3,500億円。

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