【大成印刷】東京の中心で1色、2色、特色のニーズに応える オペレーターの負荷軽減と生産量増加も両立

大成印刷株式会社は、東京都中央区において、1色・2色・特色印刷に特化した印刷会社。主に頁物印刷および商業印刷全般を取り扱い、投信関連ディスクロージャー印刷を多く扱う。2024年には、新たに導入したリョービMHIグラフィックテクノロジーのA全2色印刷機(片面・両面兼用機)RMGT 9 920PF-2と、工藤鉄工所製の紙積機コンパクトパイルジョガーPJG-9により、外注費の削減、生産コストの削減、単色というニッチな領域の追求、都内の印刷工場という立地を生かしたビジネスモデルを構築した。

同社は都心の工場ということもあり生産環境に限界があったが、コンパクトなRYOBI 9によりA全にまでの生産が実現。以前の半裁機から全判機へと切り替わったことで対応できる生産量も増加した。「生産の余力が出てきました。これまで断っていた仕事も受けられるようになりました」と古畑社長は語る。
紙積機コンパクトパイルジョガーを導入したことで、これまで課題だった紙済み作業を改善。「どうしても導入したいと思っていました。紙積み作業は重労働で人材獲得にも影響します。印刷業を続けていくためにも必要だと思っていました。

紙積機コンパクトパイルジョガーPJG-9

新設備は現場のオペレーターに好評です。女性でも扱えるので、今後、多能工化がさらに進むと期待しています。印刷業を続けていくためにはオペレーターの負担軽減が鍵になってくると考えています」と語っている。

加えて、製本工程の負荷を低減させるため、断裁機にも工藤鉄工所製オートマチックリフターラクーンALを追加装備するなど、さらなるオペレーターの負荷低減を図っている。
なお、紙積み機に併せて導入したRMGT 9は、印刷速度の向上と消費電力の削減も実現している。製本工程のペラ丁合中綴じ機の丁合機も、カメラ付き丁合機中綴じ機(ホリゾンVAC1200)に変更し、乱丁防止機能を強化させたことで品質維持向上も図るなど、短納期・小ロット対応がさらに強化された。

A全2色印刷機(片面・両面兼用機)RMGT 9 920PF-2

同社のある中央区日本橋茅場町は、証券取引の中心地と隣接していることから金融機関との取引も多い。東京メトロの東西線・日比谷線の「茅場町」駅近くという好立地を生かし、「特色の印刷見本を見たい」という要望や、午前中に製本し、その日のうちに配送するなど急ぎの要望にも対応。“オンデマンド印刷の感覚に近い仕事ができる環境”を活かし、500部や1,000部という小部数のニーズにも対応している。
なお同社は、2024年1月にコダックからCTP出力機ACHIEVE T400を導入し、無処理版SONORAによる印刷に切り替え、プリプレス工程でのコストおよびCO2削減も実現した。CO2削減への取り組みでは、東京都中小企業振興公社の支援のもと2024年度に比べてCO2を50%削減する「2030カーボンハーフ」を目指しており、次代に繋がる工場運営づくりを見据えている。「将来に向けた設備投資をし、印刷ニーズに対応できる環境をつくることが必要だと思います」と古畑社長は語っている。

 【会社情報】
 大成印刷株式会社
 本社:東京都中央区日本橋茅場町2-4-10
 TEL:03-3669-4941
 HP: https://www.taisei-printing.co.jp/

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