HP 建設現場の墨出し作業を自動化・高精度化するロボティックソリューション「HP SitePrint」、日本提供開始を発表

HP Inc.および株式会社日本HPは、建設現場における墨出し作業を自動化・高精度化するロボティックソリューション「HP SitePrint(サイトプリント)」の日本提供開始を発表した。北米や欧州、オセアニアでの500件超の実績を経て、いよいよ国内でも本格展開に踏み出す。

HP SitePrintは、従来手作業で行っていた複雑な墨出し工程を自律的に実行し、生産性は最大で10倍になった。精密な位置出しが求められる建設現場において、人的ミスの削減と工期短縮に大きく寄与する製品として注目されている。

実際にHP SitePrintを導入しているLevel 5 Drywall社のCOO、Gerardo Rivera氏は導入初日を振り返り次のように述べている。
「導入初日に、HP SitePrintと4人の手作業チームで墨出し作業の速度の比較をしたところ、手作業チームが2~3部屋を仕上げる間に、HP SitePrintは7~8部屋の墨出し作業を終えました。今では、墨出し作業のリソースを早々に解放して本格的に着工できるため、プロジェクト進行を迅速化できています。その精度にも感銘を受けました。墨出しの段階で何度かミスをすると、プロジェクトの後工程で壁を撤去することになり、利益が削られてしまいます。HP SitePrintを使用することでミスが減り、工期を数週間短縮することも可能です」

【主な機能と特徴】

  • 自律型ロボットによる障害物回避:センサーで周囲を認識し、自動で作業経路を調整。
  • 多様なインク対応:耐久性や消去性に応じた8種類のインクを用意。粗面や防水面にも対応。
  • ロボティックトータルステーション連携:現在Leica、Trimble、Topconから計8機種に対応。
  • クラウドベース管理:CAD連携やリモート操作を可能にするツールでワークフローを簡素化。
  • 高い携帯性と安全性:軽量ボディとハードケースで現場間移動が容易。安全・EMC・環境規格に準拠。

背景にある業界課題

建設業は世界で約9.7兆ドルの規模を持ち、GDPの約10%を占める主要産業である一方で、労働生産性の低さが長年の課題となっている。マッキンゼー社の調査によると、過去20年で建設業の労働生産性は年平均1%の成長にとどまり、他業種と比べて大幅に遅れている。
日本市場でも建設業のデジタル化と人手不足解消が喫緊の課題となっており、HP SitePrintのような自動化ソリューションが、その解決の鍵として期待される。

HP SitePrint 製品ページ

関連記事

最新記事