モリサワ 「Morisawa Fonts」Webフォントで契約管理と配信技術に関する2件の特許を取得 Web制作業務の効率化と安定したフォント配信を実現
株式会社モリサワは、クラウド型フォントサブスクリプションサービス「Morisawa Fonts」で、Webフォントの契約管理および配信技術に関する2件の特許を取得したと発表した。取得したのは「フォント利用量の測定に関する特許」と「CSSリンクの管理に関する特許」。
今回の特許は、Web制作の現場で課題とされてきた「契約管理の煩雑さ」と「フォント配信の安定性」を解消するもので、すでにMorisawa Fontsの全プランに導入されている。

契約管理を簡易化する特許技術「フォント利用量の測定に関する特許」
Web制作では、制作会社からクライアント企業へと契約主体が変わる場面で、CSSリンク(埋め込みコード)の書き換えが必要となる課題があった。今回取得した「CSSリンクの管理に関する特許」(特許第7683870号)では、埋め込みコードを変更せずに契約情報の更新が可能となる仕組みを開発。これにより、制作者・運営者双方の作業負担を削減できる。
モリサワはこの技術を活用し、2024年12月のアップデートで「プロジェクト引き継ぎ機能」を追加。制作から運用へのスムーズな移行を支援している。
安定配信と利用量測定を両立する特許技術「CSSリンクの管理に関する特許」
もう一つの特許(特許第7650041号)は、Webフォント配信と利用量測定に関するもの。Morisawa FontsのWebフォントは、ユーザー初回アクセス時にエッジサーバーがフォント配信サーバーから情報を取得し、以降はエッジサーバーから直接配信する方式を採用している。
さらに、フォントの閲覧回数やページビュー数といった利用データをエッジサーバーと配信サーバー双方で集計することで、配信効率と正確な利用測定を両立。これにより表示速度の向上と信頼性の高いレポート提供を実現している。
Morisawa Fontsの拡張と今後の展望
Morisawa Fontsはクラウド型フォントサブスクリプションサービスとして、グラフィックデザインやWebサイト、UI/UX、動画制作など幅広い領域を支えている。
現在は「Webフォント」「Webフォント Lite」に加え、2025年11月下旬には年間4,800万PV以上に対応する新プラン「Webフォント Pro」を提供予定。大規模Webサイトやクラウドサービスでも利用できる体制を整え、エンタープライズ環境への対応を強化している。
モリサワの特許取得がもたらすWeb制作への効果
今回の特許取得は、Webフォントの契約管理や安定配信という実務上の課題を解決し、制作者・企業・ユーザーのすべてにメリットをもたらすもの。モリサワは今後もMorisawa Fontsの進化を通じて、効率的で持続可能なWeb制作環境を支援していく。